もしもし、そこの加蓮さん。
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14:名無しNIPPER[saga]
2020/04/25(土) 21:47:35.73 ID:63FTC/uF0

読書慣れさえしていれば幼い子供にも親しめる星新一の書を、加蓮もまた楽しんでいました。
彼の作品にはとにかく博士や泥棒や天使や悪魔や宇宙人や未来人などなどが登場するので有名ですが、
今回は神様と天使達の出番でした。

 「っふ、ふふ……」

天使などという清らかな響きとは裏腹に、
彼らは過酷な競争社会へと放り込まれてしまったようです。


せっせと魂を天へ導くため、
殺し屋を見繕ったり、
夢の中で効果の見込まれぬコマーシャルを打ったり、
はたまた住宅街を営業マンのごとく巡回したり。

おおよそ一般の天使像とはかけ離れた彼ら彼女らに、加蓮も思わず失笑を零してしまいます。


短い物語でしたから、読了までには五分と掛かりませんでした。
最後に再び登場した神様の二枚舌に鼻を鳴らし、加蓮は閉じた本を山の上に積み戻します。
学習椅子を背で軋ませつつ、踏んづけられた猫みたいな声を出しながら大きく伸びをして、
それからぱたりと机に顔を伏せました。
緩やかに横へ向けた視線の先には、宗教や民俗学の本が山と積まれていて。


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