もしもし、そこの加蓮さん。
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24:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:07:06.40 ID:DTyxDqAB0

余裕を湛えつつも確かな意思の宿る瞳に、
決して明るくはない照明を妖しく照らし返す唇。
ブレザーさえ着ていなければ舞台女優だと名乗っても通用してしまいそうな、
実に線の整った顔立ちです。

数秒、そのまま視線をぶつけ合い、
金の瞳が瞬いた途端、加蓮は立ち上がってしまいました。


 「……ねぇ、プロデューサーさん――」


椅子の下から掴み出した通学鞄を肩に掛ける余裕すら無いまま、出口へ向けて踵を返します。
ばくん、ばくんと胸がうるさくて堪らなくて、
運動なんてしていない筈なのに、気付けば息は上がっていて。


まだ中身の残っていたアイスコーヒーをゴミ箱の中へ叩き付けてミニシアターを飛び出すと、
ちょうど街灯たちも目覚め始めるところでした。
熱を持った脚はまだ止まる気配も無く、そのまま一ブロック、二ブロック。
風俗街を抜け出してようやく、加蓮はその場にへたり込みました。


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