ロード・エルメロイU世「最初からそれがお望みだろう、レディ?」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/15(月) 22:42:00.50 ID:uimHEu7hO
「こうなったらヤケだ! じゃんじゃん持ってこい! いくらでも飲んでやる!!」
「よし、わかった。酒の貯蔵は充分だ」

ついに屈服した義兄にたらふく飲ませる。
先述した通り、ロード・エルメロイII世はあまり酒が強くないのですぐに酔い潰れた。

「くそっ! ボクはいつだってダメだ!!」
「我が兄はダメじゃないとも」
「しかし、レディ! ボクは臣下として王を勝たせてやることが出来なかったんだ!!」
「かの王が聖杯戦争に勝利していれば世界地図が大幅に書き換えられていたに違いない。それを世界が望まなかったのだ。仮にもロードであるならば、根源に至る道を阻む最大の障害については知っているだろう?」
「……抑止力か」

ついには泣き出してしまった義兄を慰めるのはひとえに私が義理とはいえ妹だからだ。
そして優しくされると、人は無防備になる。

「だから、征服王が敗北したのは我が兄のせいではない。かの王は世界に敗れたのだ」
「あいつは……イスカンダルはそんな弱い男じゃない。世界にだって負けやしない、そんな強い王だった。だからやっぱりあいつが負けたのはボクが未熟だからで……」
「我が兄よ、顔を上げたまえ」

項垂れた義兄は既にロード・エルメロイII世ではなく、聖杯戦争時の情けないウェイバー・ベルベットに戻っていて、そんな彼に諭す。

「君はたしかに未熟だったかも知れないが、君の王は自らの敗北を臣下のせいにするようなみっともない男だったのかい?」
「ちがっ……そんなつもりは……!」
「ならば、君が責任を感じる必要はない。君は君自身の戦いに勝つことを目指せばいい」
「ロード・エルメロイ……先生」

ロード・エルメロイII世ではなく幼いウェイバーくんを感服させるのはいとも簡単である。


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