ロード・エルメロイU世「最初からそれがお望みだろう、レディ?」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/15(月) 22:47:17.81 ID:uimHEu7hO
「ふふふ。本当に甘いな、我が兄は」
「ふん。なんとでも言え」
「私はエルメロイの次期当主だぞ? これが罠であると、どうして気づけない?」
「やはりそうか。だが、たとえ罠であったとしても泣いている義妹を放ってはおけない」

罠と告げても義兄は抱擁を続ける。
もしも私が懐にナイフを忍ばせていれば、仮にもロードを名乗る義兄は容易く落命する。
無論、そんなつもりはさらさらないが。

「ふふ。つくづく愚かだな、我が兄よ」
「ああ、私はどうしようもない愚か者だ」
「気付いているか? 身動きが取れないことに。私の礼装に絡め取られていることに」
「ああ、気付いているとも」

私の礼装は水銀。
先代エルメロイの魔術礼装である月霊髄液に手を加え、普段はメイドの姿で付き従えているトリムマウを霧状に形態変化させて、ロード・エルメロイU世を捕縛した。

「レディ。いや、 ライネス。聞かせてくれ。これはいったい、何のつもりなのかを」
「ようやく名前を呼んでくれて嬉しいよ。私の目的はシンプルだ。美味い酒を飲み、義妹に優しくされて気分が良くなった義兄の絶望する顔が見たかった。ただ、それだけさ」
「ふむ。で、具体的には?」

伊達に死地から生還してはいない。
ロード・エルメロイUは取り乱さない。
次のひとことを耳にするまでは。

「あれほどワインを飲んだのだ。そろそろ小用に行きたいのではないかね?」
「まさか、それが狙いか!?」
「フハッ!」

ついに明かした目的。
衝撃的なその事実に目を見開く義兄。
待ち望んだその反応に思わず愉悦が漏れた。


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