キャプテン・アメリカ「モテない童貞くんの悩みを聞いてあげてください……?」
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6:名無しNIPPER
2020/08/07(金) 18:36:47.12 ID:Y0oQ9FMM0
ハルくんの熱い吐息が顔にかかる。振り乱した彼の髪からは沸騰した汗の玉が飛び、口にも入る。

やがてその中にポタポタと、冷たいものが混じり始めた。

いつしか泣いていたハルくんは、その涙に自分自信でも戸惑っていた。

温かくどろりとした血液がキャップの鼻から一筋流れ、白い床に赤い点を落とし、ハルくんの目に留まる。

拳を握る彼の手から、力が抜けていった。

「どうした? もう打って来ないのか?」

キャップの言葉は強がりでも挑発でもなかった。それはハルくんにも分かっていた。

しかし、その優しさは、ハルくんを何とも言えずやるせない気分にさせたのも、また事実だった。

「こんな程度で超人兵士は壊れたりしない。もっともっと、君の想いをぶつけて来い!」

再び、拳に力を込める。

だが、今度は憎しみでも怒りでもない、敬意と感謝の拳。

猛々しい咆哮をあげ、ハルくんはキャップの顔めがけて最後の一撃を放った。

自らの内にマグマのように滾っていた様々なわだかまりが霧消していく感覚が、ハルくんの背筋を伝う。

フッと脱力したハルくんは、にわかに眠気に襲われ、そのままキャップの厚い胸板に倒れ込む。

己の胸の上で赤ん坊のように安らかな寝息を立て始めたハルくん。

その額に汗で貼り付いた前髪を、キャップは愛おしそうに払うのだった──


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