高垣楓「あなたがいない」
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16: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/13(日) 22:59:30.24 ID:kh3F9e+N0

 車内。私は流れる街灯りをぼんやりと眺めている。
 今日は本当に、いろいろとありすぎた。目まぐるしく変化する状況に、理解が追い付かない。
 今こうしている間も、これが現実と思えない私がいる。

 女子寮を出てマンションを借りてもらったのは正解だった。
 たぶん今、女子寮の中は混乱の渦真っただ中だろう。その環境でクールダウンすることは、とても難しいことに思える。
 タクシーがマンションに着く。私はじりじりとした頭痛を抱え、部屋へと戻った。

 がちゃり。玄関からリビングへ向かうと、冷蔵庫のうなりが私を出迎える。
 いつもの光景。
 しかし今の私には、その音すら煩わしく感じた。
 ソファーにバッグを放り、そのまま寝室へ。私はベッドへ倒れこむ。

 はあ。
 ため息をこぼす私。ベッドで横になると、体が異常にこわばっていたことに気付いた。
 そうか、ずっと気を張って、冷静を装っていたのか。
 ようやく冷えてきた頭で、私は思う。




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