高垣楓「あなたがいない」
1- 20
25: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:05:56.49 ID:Od9IjqsH0

 昨日より遅くに、事務所へ着いた。ドアを開けるとそこにはスタッフの右往左往と、アイドルたちの沈んだ顔。
 事務所の中は昨日よりもずっと重く、ずっと深かった。少しは想定していたとはいえ、この雰囲気に飲まれそうになり、一歩が踏み出せない。

「楓ちゃん」

 ふと声をかけられ視線を向けると、瑞樹さんが手を振って待っていた。

「瑞樹さん……今日は」

 私が声をかけようとすると、彼女は手で言葉を制しかぶりを振った。

「楓ちゃん……大変だったわね」
「いえ……私よりもむしろ、ちひろさんや社長さんのほうが」
「それはそうでしょうけど……楓ちゃん、P君と一番古い付き合いじゃない。だから心配になって」

 瑞樹さんは一番に、私のことを気にかけていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
216Res/171.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice