5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/03(土) 21:22:06.36 ID:4B3dgK4pO
「いきなりケンケンと呼ばれて、驚いたよ」
なんとか第三村に辿り着き、シンジと一悶着があり、アイツが家出してから相田ケンスケが苦笑混じりに苦言を呈した。素直に謝る。
「ごめん。でも、こうするしかなかった」
シンジと親しくならないように、遠ざける。
それには理由が必要でケンスケを利用した。
じゃないとシンジと私も一緒にダメになる。
「碇は愛されてるな」
どうだろう。私はシンジを愛しているのか。
違うと思う。私はシンジに愛されたかった。
それは温かな感情ではなく、冷たい感情だ。
「ケンスケ」
「なんだよ、改まって」
「これが本当にアイツの為になると思う?」
自信がなくて尋ねると、相田ケンスケはまた苦笑して、彼なりの言葉で励ましてくれた。
「結果的に碇のためにならなかったとしても、だからと言って何もしなければ式波はあとから絶対に後悔する筈だ。だからやるだけやってみればいい。ただ見返りは求めるな」
うんと頷いて、無性に家出したシンジが気になり、周辺を捜索するとすぐに見つかった。
NERV本部跡の廃墟に座り込むシンジをこっそり伺い、傍らに寄り添いたくなる気持ちをぐっと堪え、立ち去った。馬鹿みたい、私。
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