【ガルパンSS】エリカ「彼女が望んだ忘れ物」
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12:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:51:16.93 ID:S9RXO5Th0





『黒森峰かぁ……私、友達作れるかな……』


それは、視点を切り取った映像。

スクリーンに映し出されたようなそれを、私は一人眺めていた。

視点の主は黒森峰の校舎を見上げて一人ため息を吐く。


『……やっぱり私なんかが副隊長なんて無理だよ』


『彼女』は、不安だった。

映像を見ているだけなのに、そこに映されていない感情や思考が私の頭の中に流れ込んでくる。

彼女は入学したばかりなのに、そこで送るはずの学園生活に明るいビジョンが見えていなかった。

不安は的中してしまった。

彼女にとって学園生活は描いていた通りのものだった。

に喉元を締め付けられているような不快感。

息が詰まりそうなほどの重苦しい日々に、彼女は必死で耐えていた。

ある日、その重みが軽くなる出来事があった。


『あなたが隊長の妹?ふぅん、なんだか頼りないわね。まぁいいわ。私は逸見エリカよ、仲良く……なんてしないわよ』


性格の悪さが滲み出た目つきの悪い銀髪の少女。

こんなやつと友達になるやつがいたのならそいつは仏の類だろう。

彼女は、その少女と友達になった。


『初めまして、私赤星小梅っていいます。一緒に頑張りましょうね!』


優しさと芯の強さを兼ね合わせた柔和な笑みの少女。

恐らく人類の大半は彼女と友好を結べるだろう。

彼女は、その少女と友達になった。





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