26:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:02:30.05 ID:S9RXO5Th0
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「ただいまー!」
「おかえりー!!」
誰もいないと思っていたので勢いよく挨拶をしたところ勢いよく返事が返ってきて面食らってしまった。
「え、あなた達まだいたの?」
時刻はもう18時を回る。
夕日は水平線に沈みかけていて教室には電気が点けられていた。
「いや、エリカ一人に任せといて帰るとかないでしょ」
エミはそう言って笑う。
「え、エリカさんどうでしたか……?」
対して小梅は先ほどと同じように怯えた様子のままだ。
「やっぱ小梅の見間違いだった?」
心配半分興味半分といった様子で尋ねてくるエミに若干イラっとしたものの、私は見たままを答える。
「とりあえず話は着けてきたわよ」
「……え?」
「今後はむやみに人前には出ないって約束してくれたわ」
「そ、それってつまり……」
「いたんですか?幽霊……」
怯えた様子で私を見る二人に対して、安心させるように微笑みかける。
そして、
「…………あんまり怖がらないであげなさい」
声にならない悲鳴というのをその日初めて聞いた。
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