狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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187: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/06/15(火) 01:59:38.17 ID:ZPgdfMxA0
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狐娘「……」スッ

狐娘「一先ずはこれでよいか」

狐娘「ここの人除けも一日は保つじゃろう。あまり頻用出来るものでもないが、奴らがどこに潜んでおるか掴めぬ様ではな」

狐娘「…ちと、疲れた」



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男「死ぬのは勿論嫌です。でも、また狐娘さんが一人になるくらいなら…僕の時間をいくらでもあげます」

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狐娘「………」

狐娘「…死にたくはないと、言っておったじゃろう……阿呆……」

狐娘「よりによって妾を庇いおって……妾は死なんのじゃぞ……」

狐娘「………」

狐娘「すまない」

狐娘「こうなる事を予想出来て然るべきであった。俗世と、人との関わりを断つと決めたはずじゃったのにな」

狐娘「主のくれる"時間"に、甘えていた」

狐娘「…本当の阿呆は己という訳じゃ」

狐娘「千年は生きた。然しそれだけ。何一つ賢くなっておらぬではないか」

狐娘「……」ミアゲ



(夜空に浮かぶ小さな月)



狐娘「月見には向かぬ夜じゃ」

狐娘「…そちらに行けば、未来永劫ひとりでいられるかの…」

狐娘「何者との繋がりも無く、静かに、無限の時を揺蕩う……」



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