男「5億人ボタン? 俺が5億人になったところで何の役にも立たないだろ」
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1:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:08:53.44 ID:MGXJ8tP20
男「いらないよ、こんなボタン」

怪しい男「いえいえ、あなたが増えるボタンではありません」

男「え、そうなの? じゃあ5億人ってなんなの?」

怪しい男「このボタンを押すと、世界の人類の数が5億人になるのです」

男「ああ、そういうことね」

男「……」

男「……ってちょっと待てよ」

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2:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:11:06.88 ID:MGXJ8tP20
男「今、世界人口ってどのぐらいだっけ?」

怪しい男「ざっと78億人ですね」

男「もし俺がこれを押したら、残りの73億人はどうなるわけ?」
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:13:11.15 ID:MGXJ8tP20
男「残れる5億人はなにか基準があるの?」

怪しい男「もちろんございます。ランダムで消えるわけではありません」

男「どんな基準?」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:14:41.34 ID:MGXJ8tP20
男「ってことは、俺が消えることもあるってことか」

怪しい男「その通りです。ボタンは公平です」

男「……」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:16:38.53 ID:MGXJ8tP20
男(あれから色々調べてみた……)

男(今の人口78億が多いか少ないかでいえば、間違いなく多い)

男(しかも人口増加は留まる事を知らず、2050年には100億に達する見込みだという)
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:17:49.21 ID:MGXJ8tP20
男(ただここで問題なのは――俺が“ベスト5億”に入れてるかどうかだ)

男(結論からいおう。絶対入れてない。半分から上にいけてるのかも怪しい)

男(つまり、俺が今やるべきことは自分磨きだ)
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:19:27.12 ID:MGXJ8tP20
男は見聞を広めるため、世界中を旅した。



男「へぇ〜、これがピラミッドか……」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:21:48.81 ID:MGXJ8tP20
観光地だけでなく、秘境や紛争地帯まで――



男「はぁ、はぁ、はぁ……酸素が薄い」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:24:04.70 ID:MGXJ8tP20
世界を旅して数年、ただ漠然と旅をしていただけならば、
おそらく得られるものはなかっただろう。

しかし、男には確固たる目的意識があり、貪欲に文化や知識を吸収していった。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:26:35.80 ID:MGXJ8tP20
次に男は体を鍛えた。

肉体的な強さもなければ、世界のベスト5億には入れないと判断したからだ。


以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:29:21.21 ID:MGXJ8tP20
男(知識と肉体は備わった……後は社会的成功を収めるのみ)

男「となると……やはりビジネスで名を上げるに限る」


以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:31:49.65 ID:MGXJ8tP20
秘書「社長、お茶が入りました」

男「ご苦労」

男「……」ゴクッ…
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:34:47.38 ID:MGXJ8tP20
男「国民の皆様!」

男「私が政治の世界に入ったあかつきには――」

男「老若男女、全ての人を平等に扱い――」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:36:51.80 ID:MGXJ8tP20
男「ついに国のトップになった……」

男(今の俺は既に、まず確実に世界のベスト5億に入ってると思う)

男(財力も、権力も、肉体的能力も、俺に敵う奴はほとんどいないだろう)
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:38:42.99 ID:MGXJ8tP20
――

――

男「世界の皆さん!」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:41:05.53 ID:MGXJ8tP20
男は地球の王としての邸宅で、一人思いをめぐらす。

男(ついに俺は地球の頂点に立った……)

男(今の俺は、誰がどう判断しても、地球一番の人間に間違いないだろう)
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:44:19.35 ID:MGXJ8tP20
次の瞬間、ミサイルが世界中にばら撒かれた。

ミサイルは地球上のあらゆる箇所に飛び、人類を瞬く間に蒸発させていった。

どんな僻地に住んでいる人間も逃れることはできない。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:46:38.83 ID:MGXJ8tP20
そこへ――

ヒュルルルルル…


以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:49:53.72 ID:MGXJ8tP20
男の望みは“新しい世界”を作ること――

しかし、頂点を極めていく過程で男の望みは少し変わっていた。

男は“自身すら介入することのない新しい世界”を渇望するようになっていったのだ。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:52:22.13 ID:MGXJ8tP20
5億人ボタンの機能は“世界の人類の数を5億人にすること”である。

つまり、もし世界の人口が100億人だったら、95億消すことになる。

そして――
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2021/07/31(土) 20:54:43.38 ID:MGXJ8tP20
新人類A「……」モゾ…

新人類B「……」モゾモゾ

新人類C「……」モゾ…
以下略 AAS



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