服以外全部溶かすスライム
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1: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:05:38.10 ID:ODfNhDTM0
勇者(♂)「なあ格闘家、この『魔獣の森』って、魔王城を囲んでるから避けては通れない、最強最悪のモンスターの棲家なんだよな?」

格闘家(♀)「うん、そのはずなんだけど・・・ねえ?」

魔法使い(♂)「なんか、張り合いないよね。竜種とかいろいろ出て来るけど、ちょっと硬いだけで普通に倒せるし」

賢者(♀)「皆さん、あまり油断しないほうが・・・」

勇者「この程度のモンスターしか出てこないところなら油断してても問題なくね?」

格闘家「まあね。正直そのへんの封印迷宮の下層とかの方がレベルも高いしドロップも・・・えっ?」

魔法使い「・・・こんな魔王城目前のダンジョンで」

賢者「・・・スライム?」

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2: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:07:13.30 ID:ODfNhDTM0
スライムというと某有名ゲームの影響で、最弱のモンスターであるというイメージが強いかもしれない。

しかし、このスライムというモンスターは意外と厄介なのである。

まず不定形であるため、物理攻撃は基本的に効かない。
以下略 AAS



3: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:08:26.73 ID:ODfNhDTM0
格闘家「まあ私は格闘家だけど雷属性の魔法はけっこう使えるし、スライムも敵じゃないけどね」

勇者「・・・スライムといえばさ、あの『赤の洞窟』に出てきた突然変異体」

魔法使い「『赤の洞窟』・・・ああ、あの『服だけ溶かすスライム』の」
以下略 AAS



4: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:08:58.01 ID:ODfNhDTM0
勇者「お、お前、魔王城を前にしてパーティの体力減らすとか・・・」ガクガク

魔法使い「ぼ、僕は防御魔法使ってないと物理防御は紙なんだから・・・」ガクガク

格闘家「自業自得でしょ。賢者ちゃん、回復魔法はいらないからね」
以下略 AAS



5: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:09:49.17 ID:ODfNhDTM0
賢者「・・・私の『能力』、使っておきますか?」コソッ

魔法使い「それはさすがにまだ早いかな。賢者ちゃんにも僕たちにもリスクが大きすぎるからね」コソッ

魔法使い「まあまずは僕がやるよ・・・魔法反射とか持ってるかもしれないから、避ける準備はしといてよね」
以下略 AAS



6: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:10:32.89 ID:ODfNhDTM0
そう言いつつ剣を抜いた勇者が何事か呟くと、勇者の剣が風を纏い轟々と音をたてはじめる。


勇者「電撃が効かないなら、風属性の魔法をまとった『真空斬撃』ならどうだ? 行くぜオラァッ!!」ダンッ

以下略 AAS



7: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:11:19.07 ID:ODfNhDTM0
魔法使い「くそっ・・・水や氷属性から、即死や浄化、儀式魔法まで試したってのに・・・」ゼェゼェ

格闘家「さっきの勇者の剣みたいに、まるで魔法も溶かされてるみたいな」

勇者「魔法使い、後ろで休んでな。お前の魔法は威力が頭おかしいレベルな分、消費も激しいんだからな」
以下略 AAS



8: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:12:19.95 ID:ODfNhDTM0
賢者「なっ!?」

勇者「伝説の剣を溶かすようなスライムの身体・・・無理やり突破するのはさすがに無理だろうぜ」

賢者「そ、そんな・・・私の判断ミスです。魔法使いさんを消耗させた上に退路まで・・・」
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9: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:12:55.97 ID:ODfNhDTM0
勇者「おい二人とも、さっきから何の話を・・・」

賢者「私の固有の魔法『銀河書庫』で、銀河のどこかにあるとされるアカシックレコードに接続してあらゆる情報を瞬時に得ることができます」

格闘家「ええっ!? す、すごいじゃない賢者ちゃん! でも・・・」
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10: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:13:46.43 ID:ODfNhDTM0
賢者「いいえ・・・ですが、私は勇者さんや格闘家さんには死んでほしくありません」

格闘家「賢者ちゃん・・・」

魔法使い「でも、そんな魔法がノーリスクで使えるわけがない」
以下略 AAS



11: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:15:17.38 ID:ODfNhDTM0
魔法使い「賢者ちゃん!?」

賢者「だ、だいじょうぶ、です、それより」

賢者「あのモンスターのなまえが、わかりました、あれは『ふくいがいぜんぶとかすスライム』です」
以下略 AAS



12: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:16:22.39 ID:ODfNhDTM0
勇者「ああ、そのことなら狙ってみたいところがある」

格闘家「えっ?」

勇者「こっちの方向、高さ1mくらいのところ・・・スライムの身体の中に、何か見えねえ?」
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13: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:17:33.07 ID:ODfNhDTM0
格闘家「ありがと。それじゃあ・・・はあっ!!」ヒュボッ

ガオォン!!

勇者「うおぉっ!?」
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14: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:18:36.57 ID:ODfNhDTM0
勇者「格闘家、ちょっと待ってろ」ゴソゴソ

勇者「鎧の下に着てた道着だ。これなら間違いなく服だろうし、あのスライムにも触れるだろ」

格闘家「ありがと。それじゃ拳に巻いて・・・『雷装天鎧』!!」バチィッ
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15: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:19:30.00 ID:ODfNhDTM0
魔法使い(くっ、既に魔翌力をだいぶ使ってるのもあるけど、やっぱり僕程度の『高位治癒』じゃあ気休めにしかならない!)

魔法使い(そもそも腕の完全欠損の治療なんて賢者ちゃんでも専用の儀式が必要なのに!)

格闘家「勇者ぁ、いたい、いたいよぉ・・・」グスッ
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16: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:20:46.98 ID:ODfNhDTM0
勇者「魔法使い・・・お前、どんな切り札を持ってる?」

魔法使い「えっ?」

勇者「俺の切り札は斬撃を複製して、最大7本同時発生させる『幻想斬華』だ。空間を隔てて発生させるから相手の防御を無視できる」
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17: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:21:30.79 ID:ODfNhDTM0
ジュワッ

勇者&魔法使い「えっ?」

賢者「ぐうっ!!」
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18: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:22:26.57 ID:ODfNhDTM0
魔法使い(今の・・・『銀河書庫』を使った時の反応、今までと違った!)

賢者「・・・・・・」

魔法使い「賢者ちゃん!賢者ちゃん!!僕がわかる!?」
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19: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:23:31.20 ID:ODfNhDTM0
賢者「・・・まほうつかいくん、あのすらいむに、なかされたの?」

魔法使い「えっ」

賢者「じゃあ、やっつけないと、だね」フラッ
以下略 AAS



20: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:24:16.27 ID:ODfNhDTM0
賢者「じゃあやるよー」

勇者「・・・まさか」

賢者「えいっ」パフッ
以下略 AAS



21: ◆P1ZZk9vB9M[sage]
2021/08/14(土) 01:25:13.45 ID:ODfNhDTM0
賢者「あー、かくがこわれてきたよ」

魔法使い「ほ、ほんとに!?」

賢者「ほらー、もうすこしだよー、いけー、いっちゃえー」フニフニ
以下略 AAS



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