速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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24:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:35:29.61 ID:u50g9+A20


 クスクスと笑っていたフレちゃんは、目線を私の手元に向けた。


「カナデちゃん、それって?」

「ああ、借りてるの。文庫本」

「どれどれ……これは、ふむふむー……難しそうな本ですなあ」

「児童文学だけど、これ」


 読んだことがあるかは置いておいて、きっと誰もが一度は名前を耳にしたことがある古典的名作だった。


「あ、ホントだ。フレデリカも読んだことあるよー。素敵だよね、憧れたなー、この島に」

「へえ、フレちゃんが?」

「あ、カナデちゃんアタシのこと疑ったでしょー。こーみえてアタシ、文学少女だったんだから」

「ホント? 初耳ね。どんな本が好きだったの」

「やっぱりあれだよ。女の子が変身して戦う魔法少女の」

「アニメじゃない? それって」

「そうだよ?」


 確か、文学少女の話をしていたはずだけど。


「私、実はこの本読んだことなかったの。子供向けイメージも強いし、読む気もなかったんだけど」

「それなのにどーして読んでるの?」

「今のことを言ったら、文香に押し付けられたの」

「ああ、フミカちゃんにね」


 フレちゃんも、合点がいったようだ。




「流石、アタシと同じ文学少女だね」

「その設定、まだ続いてるんだ」






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