【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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14:名無しNIPPER[saga]
2021/12/19(日) 22:44:34.05 ID:OC8luprgO



トレセン学園の朝は早い。



ウマ娘にとって、トレーニングは早朝に行うものだ。朝露が落ちる前から彼女たちはダートを、ウッドチップを、そして坂路を駆ける。
午前6時ともなれば、薄闇の中に彼女たちの靴音……もとい、蹄鉄の音が響き渡る。
そして大抵のウマ娘は、静かに、そして精一杯走るものだ。そう、大抵の場合は。


バクシンバクシン……


バクシンバクシンバクシンバクシン………


坂の下から、その声は段々と近く、大きくなる。そして。


「バックシーン!!」


得意気な、満面の笑顔とともに、彼女は私の前を通り過ぎていった。タイムは……52秒2。良い。


「どうでしたか!トレーナーさんっ!!」

ピコピコと尻尾を揺らしながら、彼女は小走りで駆け寄ってきた。

「素晴らしいぞ。恐らくは今日1のタイムだ」

「ワッハッハ!!そうでしょう、そうでしょう!!なぜなら、私は学級委員長ですからっ!!」

彼女……サクラバクシンオーは両手を腰に当て、胸をそらして笑う。いつも通り、元気で結構。

「うむ。君の毎日の鍛練の成果だ。もっとも、無理は禁物だぞ。オーバートレーニングほど、良くないものはない。
坂路練習の後は丁寧なストレッチとクールダウンだ。水分補給をした上で、食堂に来たまえ。朝食を用意してある」

「はいっ!!トレーナーさんの朝ごはん、楽しみですっ!!」

バクシンオーはそう言うと、またハッハッハと元気に笑い始めた。

手元のメモに視線を落とす。……次のレースまで、あと3週間か。
彼女は元気そうだが、少々無理をさせている自覚はある。体重も、ベストより少し落ちている。



これは……そろそろだな。






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