過去ログ - 美琴「私に勝てると思ったのか!?あぁ、第四位さんよぉ!?」
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[sage saga]
2010/11/05(金) 18:42:16.62 ID:jdAC/QEo
麦野沈利が夜遊びをすることは、もう何年も続いた習慣になっていた。
ふらちなニュアンスのある言葉だが、単にゲームセンターやファストフード、カラオケなどを一人渡り歩く、ただそれだけのことなのだが。
その全く無意味な行動は、暇潰しと言うよりは、自分への乱暴のようなものだが、彼女自身この行為に意味を覚えようとは思っていない
ただ単に何年も続いた習慣で、夜に他にすることなどないからであり、意義など求められる事ではないのだ。
そして、学園都市は広い。
そこには数多くの学区があり、学生が入れない町もあるのだけれど、科学や芸術、買い物やテーマパークなど、全てを知りつくすことが出来る学生はまずいない。
とはいえ麦野沈利という女子大生は、並大抵でない特権――授業免除、単位の自動修得など――を持っていたため、例外的に、学生が入れるところなら、その持てあました時間を通して、ほぼすべてを闊歩していた。
彼女の容貌は、時折現れる凶暴な表情の歪みを除くのであれば、美人の部類に入るものであり、彼女はそれを必然的に意識せざるをえない状況下にいた。
遊び呆ける美人を見て、絡みついてくる性質の人間は、いつの時代にも、どんな場所にも存在したからだ。
学園都市におけるその通称はスキルアウト、その名前の由来にも、彼ら自身にも、それ相応の理由がある。
しかしそれは、彼女にとっても、それ以外の多くの人々にとっても、どうでもいいことだった。
一般人達にとって、それは風紀に害なすものであり、治安を悪化させるという存在でしかなかった。
夏、学生たちの長期休暇という季節柄もあってか、麦野が八月になってからこういう輩に絡まれたのは、今回を含めて三回目である。
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