過去ログ - 美琴「私に勝てると思ったのか!?あぁ、第四位さんよぉ!?」
1- 20
2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/11/05(金) 18:42:16.62 ID:jdAC/QEo

 麦野沈利が夜遊びをすることは、もう何年も続いた習慣になっていた。
 ふらちなニュアンスのある言葉だが、単にゲームセンターやファストフード、カラオケなどを一人渡り歩く、ただそれだけのことなのだが。
 その全く無意味な行動は、暇潰しと言うよりは、自分への乱暴のようなものだが、彼女自身この行為に意味を覚えようとは思っていない
 ただ単に何年も続いた習慣で、夜に他にすることなどないからであり、意義など求められる事ではないのだ。

 そして、学園都市は広い。
 そこには数多くの学区があり、学生が入れない町もあるのだけれど、科学や芸術、買い物やテーマパークなど、全てを知りつくすことが出来る学生はまずいない。
 とはいえ麦野沈利という女子大生は、並大抵でない特権――授業免除、単位の自動修得など――を持っていたため、例外的に、学生が入れるところなら、その持てあました時間を通して、ほぼすべてを闊歩していた。

 彼女の容貌は、時折現れる凶暴な表情の歪みを除くのであれば、美人の部類に入るものであり、彼女はそれを必然的に意識せざるをえない状況下にいた。
 遊び呆ける美人を見て、絡みついてくる性質の人間は、いつの時代にも、どんな場所にも存在したからだ。

 学園都市におけるその通称はスキルアウト、その名前の由来にも、彼ら自身にも、それ相応の理由がある。
 しかしそれは、彼女にとっても、それ以外の多くの人々にとっても、どうでもいいことだった。
 一般人達にとって、それは風紀に害なすものであり、治安を悪化させるという存在でしかなかった。

 夏、学生たちの長期休暇という季節柄もあってか、麦野が八月になってからこういう輩に絡まれたのは、今回を含めて三回目である。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
406Res/195.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice