22:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:43:56.91 ID:YdrHANSAO
鼻歌まじりに受付へ向かう純ちゃんを、私と梓ちゃんは目線を合わせてから追う。
純ちゃんの動作から依頼の請負方を教わっていると、不意に集会所の戸が開いた。
“集い会う場所”なのだから誰が来ても不思議ではないのだけれど、視線を向けた先には、私にすごく馴染みのある人物がいた。
23:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:45:17.28 ID:YdrHANSAO
憂「…お久しぶりです。…その、元気そうで、良かった」
和「………」
なにか話さなくちゃと思って、私は話しかけてみるけれど、和ちゃんの表情は複雑そう。
24:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:49:05.00 ID:YdrHANSAO
和「…憂」
震えを押し殺した声で、私の名前を呼ぶ。
憂「なぁに、和ちゃん」
25:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:50:23.49 ID:YdrHANSAO
そっと、涙ぐむ和ちゃんを抱き締める。
私よりは大きな体が、怯えてるみたいに震えている。
ずっと、とても悔やんでいたんだと思う。
自責の念で自分を殺してしまいそうなくらい、嘆いていたんだと思う。
26:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:52:21.48 ID:YdrHANSAO
和「……恥ずかしいところを見せちゃったわね」
一段落して、いつもの冷静さに戻った和ちゃんが眼鏡をなおしつつ言う。
冷静な口振りだけれど、目元は頬は真っ赤になってる。
27:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 11:53:24.45 ID:YdrHANSAO
信念。
眼鏡の奥のその瞳に、圧倒的な気迫を宿して和ちゃんはその名を告げる。
テオ・テスカトル。
28:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 12:46:14.62 ID:YdrHANSAO
和「古龍はもともと、発見されること自体が稀な存在だから、大分骨が折れてるんだけどね」
真剣だった表情を一転させて、薄く笑みを浮かべて肩をすくめる和ちゃん。
梓「和さんが村に戻ってきたのは、関係してるんですか?」
29:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 12:47:23.41 ID:YdrHANSAO
和ちゃんが手荷物から取り出したのは、赤い色の液体が入ったビン。
雑貨屋さんなどで売っているので、私もよく目にする。ハンターにはとてもポピュラーなアイテムだ。
純「おっ、ホットドリンクですね!」
30:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 12:48:34.86 ID:YdrHANSAO
狩猟区域『雪山』。
自然の創り出した、荘厳な氷と雪のお城。
『火山』と並び、万物の生きることを許さず、限られた者のみがそこに立つことを許される場所。
31:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 12:52:23.06 ID:YdrHANSAO
純「──そろそろ洞窟入って上登ろうか」
純ちゃんの言葉に同意して、私たちはポーチからホットドリンクを取り出した。
口に含むと、やや粘度のある苦い液体からトウガラシの辛味が出てきて、それが喉を通り過ぎると途端に熱が四肢や五臓六腑に染み渡ってくる。
すぐに頬が火照ってしまい、なんだか恥ずかしくて2人に視線を向けた。
32:梓「モンスターハンター?」[sage]
2011/03/09(水) 12:53:22.82 ID:YdrHANSAO
そして、私たちは雪山の攻略に取りかかる。
純「こーやって割れ目のトコをほじくり返すとぉ……ほーら! 氷結晶のご登場ー!」
梓「純、狙って言ってるよね」
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