過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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16: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:30:31.97 ID:4SRjOM3Xo

悪夢のような今年のホワイトデーから数日後の土曜日。
俺とあやせは、地元の千葉中央駅からも程近い、県民の森公園に来ていた。

「お兄さん、ここどこなんですか? ディズニーシーじゃなかったんですか?」
「だから昨日も電話で謝ったじゃねえか。
 ディズニーシーは、また別の機会にしようってことでさぁ、な。
 それに、今年は桜の開花も早いみてえだから、今回はこれで勘弁してくれよ」

不機嫌極まりないあやせに、俺は朝っぱらから両手を合わせて謝る羽目になった。
そもそも、何でこの俺があやせをディズニーシーへご招待しなきゃいけねえんだよ。
言っちゃ悪いけど、ホワイトデーにお返しを用意出来なかったくらいでさぁ。
バレンタインのお返しは通常三倍返しとか世間じゃ勝手なこと言ってるけど、
ディズニーシーつったら、一体何倍返しになるんですかっての。

俺だって、何も金が惜しいわけじゃねえよ。
せっかくのあやせイベントを、そう簡単に無駄にしたくはなかったしな。
僅かばかりの預金も含めて、俺の有り金を全部掻き集めても足んなくて、
リビングの絨毯の下とかテレビの後ろとか、金が落ちてないか家中捜したんだけど無駄だった。
日払いで金がもらえるアルバイトも、今みたいな不況じゃ早々見つかんなくてな。
最後の手段として、恥を忍んでお袋に小遣いの前借りを頼んだら、あっさり拒否されちまった。

「あやせとの約束を守れなかったのは俺だから、何言われても仕方ねえと思ってるよ。
 でも、これだけは言わせてくれ。あやせの持ってる手提げ袋って、中に何が入ってるんだ?」
「……お弁当と、レジャーシートですけど……それが何か」
「おまえはディズニーシーで、レジャーシート広げて弁当食うつもりだったのかよっ」
「お兄さんこそ何を言ってるんですか。あそこは、お弁当とか持ち込み禁止なんですよ」

いつもながらの俺とあやせの噛み合わない会話から、本日のあやせイベントは開幕した。
公園へ来てからまだ五分と経ってねえけど、俺は心の中で既に帰り支度を始めていた。


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