10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/16(土) 04:19:47.49 ID:QJzJFNXt0
「今回もじつに実入りのある内容だったぜェ、10029号。どうやら俺は世界を――――この手に掴んだらしい」
「おめでとうございます、と声をかけるべきなのでしょうか、とミサカはっ、一方通行に、声を、かけます」
「これ以上逃げるつもりは?」
「ありません。と、ミサカは断言します。仮に万が一貴方が、っ、独りでに転んで頭を打ち、その、場、で無様に気絶したとしてもミサカは、
観察は出来ても危害を加える、術は持たないでしょう。と、ミサカは恐らく骨まで達している右足の傷の様子を伺いながら答えます」
世界を掴んだにしては冷静な一方通行を相手に、ミサカ10029号も語調だけは似た調子で答える。
実は話をする間ずっとどうにかして足を引き抜けないか試みていたのだが、どうにも無理そうだった。
痛みを堪えて平然を装うにしても限界がある。
ミサカ10029号は軍用クローンだ。
学習装置によって必要な情報を詰め込まれただけの存在ではあるものの、扱われている媒体が人体である以上必然的に生じる反射的、生理的反応は避けようがない。
淡々と語っているように見えてミサカ10029号の額には、汗が浮かんでいた。言葉の節々には不自然さが混じっている。
そしてその話を聞く間、一方通行の表情は一切変わっていない。
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