過去ログ - 10031号の、ささやかな望み
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/16(土) 03:49:31.18 ID:QJzJFNXt0








灰色の壁をしたビルに向かって、一人の少年が歩いている。
数多並ぶビルのただ一つ開いた扉へ向かう彼の表情に笑みは無く、足取りには一切の迷いも感じられない。

少年の端正な目鼻立ちは、眉間に走る皺と細められた双眸もあいまって抜き身の刃のように周囲を威嚇している。
恐ろしいほど白い頭髪にまるで誂えたような同色の肌。一目違えば少女と違えても不思議では無い程の容姿は纏っている服が闇に溶けそうな黒色なだけに、少年の存在は路地裏にて一段と際立っていた。



「…………ハッ」


中へどうぞとばかりに口を開いている扉の前で、少年。一方通行はまるで己を鼓舞しているかのように口の端を歪める。
足跡の道標に知らされるまでも無く少年が待っていた、そして少年を待っている存在は確実に彼をこのビルの中へ誘っていた。
始めからやけに散発的な攻撃しか行ってこず、その後は徹頭徹尾の遁走しかしてなかった少女だったが、その目的がこの場所へ誘い込む事だとさえ知れば納得できるというものだ。



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