過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その２ -SS速報VIP

過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その２

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12:一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.[saga]
2011/05/28(土) 21:26:10.27 ID:CgqKLZJZo
于禁、李典、楽進。
曹操の宿将達である。
あれだけ人材にうるさい曹操の下で将軍してたんだ。
能力はまあ、言わずもがなだ。
なのでまあ、まずはスパイや工作員という線を考えた。

「ま、ないだろうな」

現段階での曹操陣営ははっきり言って人材不足だ。
譜代の臣がおらず、身内だけで回していると言ってもいい。
…それで回ってるのが恐ろしいところなんだが。
まあ、そんな状況でこの面子を外に出すとかありえない。
むしろ、その程度ならば安心できるのだが。
何より。

「いやー、兄さん、偉い人やったんやなー。おおきに。助かったわ」
「それにとっても親切なのー。まさか初日にお仕事が見つかるとは思ってなかったのー」
「本当にありがとうございます。この恩は、必ずや」

この娘たちにスパイとか無理だよな、うん。

「あー、于禁は服飾関係、李典は技術関係の仕事をしてもらう。
　当然下っ端からだが文句は言うなよ？実力が認められたらすぐ上にいけるし
　給料だって上がるからな」
「おおきに」
「分かったのー」
「んで、楽進は、そうだな。ちょいと腕試ししてみっか。
　陳蘭！」
「ふぁ、はい！」

陳蘭を呼び寄せ、楽進と相対させる。

「まずは、攻め手をしてもらおうか。陳蘭、攻撃はなしな」
「分かりました」

ｷﾘｯと戦闘モードに移る陳蘭。
無手での戦闘は小さい頃から俺と繰り返し、近代格闘術をそれなりのレベルで再現させている。
力だけなら俺より上だしな！

「凪ちゃん、頑張ってー！」
「凪ー！いてもうたれー！」

無言で構える楽進。おおう。なかなかの気迫だ。

「はじめ！」

俺の言葉と同時に楽進が陳蘭に飛び掛る。
軽くフェイントを入れてから回し蹴りを放つ。
陳蘭は慌てずバックステップで避ける。
更に追撃。流れるような連続攻撃。拳と蹴りを組み合わせたコンビネーション。
ふむ、なかなか見事だ。
だが、まだまだ。俺や陳蘭の域には達していない。
まあ、そりゃそうだ。俺達は武術の完成形に近いものをなぞっている。
対して楽進は一から模索しているはずだ。
逆に言えば自己流であそこまで磨き上げているというのは流石としか言いようがない。

「くっ！」

連続攻撃を凌がれた楽進が一度距離を取る。
そして構えたまま…、ん？

「は、あああああ！猛虎！」
「そこまで！」

なにやら気合を溜めていた楽進に慌てて声をかける。
とんでもなく気迫が高まってた。まともに受けたらただじゃあ済まない。

「次は楽進が受ける番なー」

何とも不本意そうな顔をするが異論は挟まない。
なかなか潔いじゃあないか。
俺は陳蘭を軽くねぎらいつつ、攻めのパターンを指示するのだった。

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