過去ログ - とある神父と禁書目録
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25:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/25(日) 22:59:47.10 ID:21JsyUv70


世界に明確な変化が訪れた。

地表の五割を照らすほどの閃光を、瞑目するだけでやり過ごした女。
瞼を徐に開く。
首関節を動かし、上空へと面を向け、もう一度“眩しさに”目を細めた。


――――そこに、昨日と今日の境目には昇るはずのない太陽が在った。


異なる二つの世界法則から導き出された解は、太陽すらもこれほど容易く昇らせた。
しかし女は眉をひそめた。
『法の書』で定められた数値に対して、わずかだが規模が足りていない。
生成が完了する直前で、矮小な人間の邪魔が入ったがゆえだ。

女は視線をゆっくりと下ろす。
雲一つない、青々と広がる悠久の天蓋。
さらに下ろす。
地平線を境に空の彼方の優美さとは対照的な、死臭漂う灰茶色が現れる。


――――そこに、聖ジョージ大聖堂は無かった。


女が凝然と立ち尽くしているのは、直径五〇メートルに及ぶクレーターの中心だった。


無。


クレーターの内部に、女の他に鼓動する生命など、存在しているはずがなかった。




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