過去ログ - 魔法少女×仮面ライダー まどか&W SS大戦GIGA MAX
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[saga]
2012/02/22(水) 00:19:26.54 ID:we0ifsJt0
「有り得ない……酷過ぎる。こんな運命がただの少女に課されていいはずがない」
「どうしたフィリップ……お前がそんなに取り乱すなんて、何があったんだ」
「……急いで、君の言う三人のところへ行こう。そこで纏めて話をする」
「おいおい、流石に時間が……」
「頼む。これは本当に、早急に伝えなければならないことなんだ」
本当に、こんなフィリップははじめて見る。
こいつがここまで感情を見せることなんてそうそうないぞ……一体、何があったって言うんだ。
俺も内心穏やかではないものの、先程交換した電話番号にコールをする。
マミちゃんの家に集合。そう決まった。
……嘘、だろ。
魔法少女の契約が魂を抜きとる儀式で、ソウルジェムがその産物?
穢れを溜めたソウルジェムは、いずれグリーフシードへと変質し、魔女になる?
嘘だろ、冗談なんだろ、そう言ってくれよフィリップ。
じゃあ、マミちゃんは――
「信じらんないわねー。第一、キュゥべえがあたし達に嘘吐いて何の得があるのよ」
「じゃあ聞くけれど、魔法少女の契約で、キュゥべえとやらは何の得をするんだい?」
「……っ」
「魔女は人を襲う。魔法少女はそれを退治する。そのサイクルの中にキュゥべえの利益になる事は今のところないよ」
「で、でも、キュゥべえが私達のために動いてくれてる可能性だって……」
「あのね、鹿目まどか。片方にしか利益の出ない取り決めを、普通は契約なんて言わないよ」
まどかちゃんやさやかちゃんの当然の疑問を、フィリップが一つ一つ潰してゆく。
その最中、マミちゃんはずっと俯いて、何かぼそぼそと呟いている。
不穏な空気を、辺りに撒き散らしながら。
「……嘘、嘘よ。信じられないわ。いきなり現れたこの人達の言うことを、信じろっていうの?」
「ああ、僕だって信じ難い。だから、出来ればキュゥべえとやらに直接確認してくれ」
「呼んだかい?」
『……っ!』
突然、三人の少女の表情が凍る。
俺達には見えないが、キュゥべえとやらが現れたようだ。
しかし不便だな……見えも聞こえもしないものを相手取らなきゃならないってのか?
「違うよ翔太郎。僕達は、別に今からそのキュゥべえとやらと戦うわけじゃないんだ」
「マミ。そして、まどか、さやか。勘違いしないでほしいんだけど」
『僕達(キュゥべえとやら)は、君(彼女)達に悪意があるわけじゃないんだ』
「宇宙の寿命を延ばすという、崇高な目的のために僕達は君たちの魂を利用させてもらっている」
「そもそも、僕達の――」
しばらく、キュゥべえが自らの目的やらなんやらを話し続けている……らしい。
ちなみに俺はフィリップからその話を聞いているだけだ。
何が宇宙の寿命だ。何が感情エネルギーだ。
そんなもん、勝手に発展したてめーらで勝手に解決しとけよ。
「ふざけんなッ! ……ってぇぇええ!」
マミちゃん達の視線を当てに当てずっぽうで殴りかかるものの、勿論当たらなかった。
ちくしょう、キュゥべえが見えさえすればしっかり殴ってやったのに。
「……そんな、そんなことって。魔女が、元々は、魔法少女……?」
「……! マミちゃん、やめろっ!」
突然魔法少女に変身し、自らのソウルジェムに銃を向けたマミちゃんを、なんとか止める。
凄まじい力で、今にも拘束を振り解かれそうだ……これが、魔法少女の力なのか。
魂を犠牲にして得た力が、これなのか。
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