過去ログ - 魔法少女×仮面ライダー まどか&W SS大戦GIGA MAX
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[saga]
2012/02/22(水) 23:27:20.41 ID:we0ifsJt0
マミちゃんのリボンごと、暗闇の魔女は掻き消えた。
結界は消え、グリーフシードが転がる音だけが辺りに響いた。
……だがしかし、ちょっとこれは……身体痛ぇ。超痛ぇ。
変身を解除して、公園の砂場にふらふらと倒れ込む。
ああ、お気に入りのベストが。スラックスが。ちくしょう、ウインドスケールの新作なのに。
そんなことを思うけれど、身体は俺の言うことを聞かない。
フィリップでさえ、ブランコの周りの柵でなんとか身体を支えているという有様だ。
「二人とも、じっとしてて下さい……今すぐ、治しますから」
「魔法ってのは、そんな事も出来るのか……実に興味深い……」
「……マミちゃん、大丈夫なのか? 君は、これからも魔女と戦えるのか?」
聞きたくないし、彼女の精神を思えば聞かないのが優しさかもしれない。
だが、聞かないわけにはいかない。もし彼女が今、俺達を救うためだけに衝動的に魔法を使ったのならば、
今後の戦いで確実に命を落とす。魔女との戦いがそんな甘いものではないという事は、今しがた身を以って知った。
マミちゃんは俯き、一度深呼吸をしてから、はっきりと言った。
「私は、戦います。それが私の誓いだから。今までは街の人を悪い魔女から守るためだったけど……」
「それは、訂正ですね。私は、皆救うために戦います。理不尽に殺される街の人々も、哀れな魔女も」
「私が、救ってみせる。私は、そのための力を持っているんだから」
「……強いな、マミちゃんは」
俺は、立ち上がれなかった。一人では、決して立ち上がれなかった。
フィリップが、亜樹子が、照井が、刃さんがマッキーが、クイーンがエリザベスが、風都の皆がいたから、俺は立ち上がれた。
それを、マミちゃんは一人でやってのけた。
本当に……強い。
「……そんなこと、ないです。翔太郎さん達がいたから」
「絶望的な状況でも立ち上がる、正義のヒーローがいたから」
「私は、もう一度立ち上がろうと思えたんですから」
「……そっか。だったら、正義のヒーロー同盟結成だな」
俺は拳を突き出す。マミちゃんはそれに応える。
一人では駄目でも、二人いれば、三人いれば、立ち上がれる。立ち向かえる。そうに決まってる。
だったら、ほむらちゃんとやらだって、一緒に戦えるはずだ。
まどかちゃんが言うには、何か秘密を抱えていそうな不思議系少女とのことだが。
同じ魔法少女なんだ、分かりあえるはずだ。
マミちゃんだって受け止められたんだ、魔女の真実だって受け入れてくれるはずだ。
それを諦めることは簡単だけれど、諦めるわけには、いかないよな。
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