3: ◆hUGk92Nj.I[sage]
2012/03/14(水) 04:07:27.86 ID:qcVqyDJAO
「どうぞ、お掛けになってください」
とりあえずの手続きを済ませてから、入国管理局員である私は二人を応接室に通した。
老人「……」
少女「どうも……」
老人は相変わらず不機嫌みたいだ……まあここに来て陽気な客人というのも珍しい。
少女の方も挨拶や応答はできるが覇気はない。
「どうぞ、お飲みになってください」
二人に茶を出す。
老人「……」
少女「ありがとうございます」
「それで、今日はどういったご用件で?」
私がそう聞いたところ、老人は茶に静かに手をつけ……ああ、一気に飲み干してしまった。
老人「その前に、あなたはその……なんと言いますか」
ああ、私としたことが自己紹介を忘れていた。
私達には数年前まで名前など無いに等しかったから、未だに自己を紹介するということに不慣れだ。
「申し遅れました、私は勇者の国入国管理局員、皆様の案内人」
「導く勇者――通称ミチです」
うん、上手にできた。
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