過去ログ - 結「やっぱり桂馬君には敵わないよなあ」(神のみSS)
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◆/5mmo/htMU
[saga]
2012/04/06(金) 21:04:56.01 ID:/lOoac1x0
***
「ふ〜ん、九条さんがねえ。お金持ちのお嬢様同士のケンカは、私みたいな下々の平民には想像がつきませんねえ」
「もうっ、マジメに答えてよっ!!ボクがこんなに悩んでいるのにっ!!」
卑屈に茶化す歩美に抗議すると、歩美は頭をかきながら「ゴメンゴメン」と笑う。
「ねえメル、あんたはどう思う?あんたら姉妹だって、ケンカのひとつやふたつしたり仲直りさせたりしたことある
でしょう?」
歩美は窓に映る女神に話しかける。彼女の名前はメルクリウスさん。ユピテルの姉妹の末っ子で、マルスの唯一の妹
である。メルクリウスさんは目を閉じて考えていたのかと思いきや、
「ん?……ああ悪い、寝てた……。もう一度説明してくれアユミ……」
と、まぶたをこすりながらダルそうに話してきた。歩美は深く溜息をつくと、「ダメだコイツ」と肩を落とす。
「随分眠そうだな。ちゃんと寝ているのか?」
同じく窓に映ったマルスがメルクリウスさんに聞く。メルクリウスさんはあくびをしながら、
「高校の化学はどういうものをやっているのか、昨晩教科書とノートを見ていたんだ……。しかしアユミがアホだから、
ノート間違えまくっていてあんまり参考にならなかった……。不幸だ……」
「ほっといてよっ!!大体アンタが寝ないと私だって疲れるんだからいい迷惑よっ!!それにアンタ賢いんだったら、普段から
もっと色々教えてよっ!!授業中アホだのバカだのけなしてばかりじゃないっ!!」
「私は理系だ……。物理や化学なら得意だが、文系の上にアホなアユミに教えても理解出来るとは思えない……」
「なによ―――っ!!」
ぎゃあぎゃあと窓に映る女神とケンカをする歩美。このふたりはいつもこんな感じだ。
「しかし私達の意見など、あまり参考にはならないよなマルス姐様……。一度ケンカしたら、100年くらいは
口きかなかったりするからなあ……」
メルクリウスさんがマルスに話しかける。マルスもうんうんと頷くと、
「確かにそうだな。最近だとディアナ姐様とアポロ姐様のケンカか……。封印される前だからよく憶えてはいないが、確か
50年くらいケンカしてたよなあ」
「えっ、そんなに仲悪いのアンタ達って……。ディアナさんって鮎川さんよね?それでアポロさんがかのんちゃん。
2人ともクセの無い良い子そうに見えるのに……」
歩美が驚くと、メルクリウスさんは溜息をついて、
「だからアユミはアホなんだよ……。それは宿主の話だろう?私達だって、本来の姿は違うぞ。私だってアユミよりもっと
賢いし、もっと美しい」
窓に向かって机を投げつけようとした歩美を何とかなだめて、話を続ける。
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