過去ログ - さやか「あたし……もうゾンビなんだよ!」大道克巳「それがどうした!」
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15: ◆mbgGrCikwU[saga sage]
2012/05/04(金) 06:11:03.04 ID:B+LrAoH70
【第一と二分の一話「許して」】

 さやかと大道の邂逅から二日後、それは月の美しい夜だった。

「変、身」

 赤い火の粉
 旋風
 赤から蒼への鮮やかな変化を遂げる焔の色
 輝く黄金色のEの文字

「終わりだ、過去の魔法少女」

 ナイフを片手に純白の闘士は“天蓋の魔女”に立ち向かう。
 天蓋の魔女アーデルハイト。
 その性質は虚飾。
 魔女の結界の中の天蓋こそが彼女の本体。
 キィキィと耳をつんざくような悲鳴が大道の耳を刺す。

「KYAHHHHHHHHHHHHHHHHH!」

 悲鳴と共に降り注ぐガラス片が大道に降り注ぐ。
 大道はマントを使ってそれを振り払い、脚力に任せて思い切り空へ翔ぶ。
 それに追いすがるようにしてガラス片の中から使い魔が現れた。
 使い魔の名はイワンコフ、役割は照明。
 光を反射する物体を用いて高速移動する使い魔。

「こいつでも食らってろ!」

 聖堂のような魔女の結界の中に存在する壁を用いてを飛び回る大道。
 大道が強く踏みつけて翔ぶ度に壁の破片が飛び散る。
 その破片がイワンコフの移動経路を塞ぎ、大道までの道を限定する。
 飛び込んできた使い魔。
 最初の一匹の眼球を右手のナイフで切り払い、殴り飛ばす。
 左右から来た二匹目と三匹目はエターナルローブで突撃の方向を逸らし、四匹目と激突させる。

「はぁっ!」

 まとめて蹴り飛ばし、天蓋を叩き割る。
 魔女の怒声と共に再び天蓋の中から大量の使い魔が大道を襲う。
 
「ふん……」

 ナイフを振りかぶって一撃、光の束が使い魔を焼く。
 群れに風穴が開き、そこから大道は壁を駆け登っていく。
 それでもなおその隙間を埋め尽くし、使い魔を出し続ける魔女。
 もう一撃、青い斬撃の軌跡がレーザーのように使い魔を焼き払う。
 大道はエターナルメモリをエターナルエッジに突き刺した。
 カチリ、スイッチが確かに押される。




「エターナル、マキシマムドライブ!」




 大地の声が永久を告げる。
 魔女の見る悪夢は終わり、永遠の安らぎが与えられるのだ。
 ステンドグラスに電流が走り、大道の視線の先のガラスに少女の姿が映る。
 大道の表情は分からない。
 彼は跳ぶ。
 身体を空中で一回転させて跳躍の威力に全身のバネも加えた回転蹴りが少女を映すステンドグラスに突き刺さった。
 何が起こったのか分からない。
 そんな顔で少女は消え去った。
 結界が消える。
 その後にはグリーフシードが3つ。

「……終わったか」

 変身を解除。
 グリーフシードを拾って大道は近くに停めてあったバイクに跨る。
 これが今のところの彼としては生命線だった。



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