過去ログ - さやか「あたし……もうゾンビなんだよ!」大道克巳「それがどうした!」
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◆mbgGrCikwU
[saga ]
2012/05/05(土) 21:56:28.63 ID:XGecTfXT0
【第一と三分のニ話「エターナルの世界」】
「仮面ライダーエターナルの世界ねえ……」
海東大樹はつぶやいた。
この世界の彼の役割は財団Xの研究員。
この世界のお宝であるAtoZのガイアメモリを盗み出す為に彼は静かに研究所に紛れ込んでいた。
「ねえ君」
培養液の中で目を閉じる青年。
大道克己である。
しかしその姿はまだ若い。
「……聞いてないか」
彼は風都の事件で死んだ後、現場に残った細胞片から奇跡的にクローンとして再生。
そのままNEVERにされて財団Xの実験台になっていた。
一度は見捨てられた財団Xを見返すために戦いを始め、
その戦いでほんとうの意味で死んだ後になって財団Xの実験台として蘇らされるとは皮肉としか言いようがない。
「本日も意識不明……っと」
とはいえ、クローンとして蘇り、NEVERとして改造された後も大道は目を覚まさなかった。
原因不明である。
その解明の為に研究をすすめる研究員が彼なのだがいかんせん不真面目な為にまったく進まない。
「あーあ……これじゃあ何時まで経ってもAtoZのガイアメモリセットとロストドライバーなんて手に入らないよ」
T2ガイアメモリ
今までのガイアメモリを超える新機軸のガイアメモリ
……の試作品であるそのメモリは研究所の別のセクターにある。
ドクターマリアの残した技術資料からネクロオーバーに関係する新たな事実の研究を進めていることになっている海東には入れない場所にあった。
そんな時、突然彼の部屋の扉が開く。
「やあ海東くん、何時になったら結果が出るのだね?」
「……カンナギ所長、いらっしゃるならそうとおっしゃってください」
「ふふん、私もアンノウンエネルギー開発担当として早く自分の研究に戻りたいのだが……
いかんせんこの研究所の所長でもある、行き詰まっている部下を助けないわけにもいくまい」
「いやはや……」
演技をしながら海東は心の中で毒づく。
そこで彼は面白いことを思いついた。
「早く結果を出してもらいたいものだよ海東くん
なにやら上は君に期待をしているようだし……」
「ああそうだ、所長。ついさっき面白い予想を立ててみたのですが聞いていただけますか?」
「ふむ、聞かせてくれ」
カンナギの興味有りげな表情に海東は手応えを感じ取った。
「はい、この前頂いたガイアメモリに関する資料で見つけたのですが……
以前データ人間となった園崎来人は地球の記憶の中に自我が溶け込んだそうですね?」
「あ、ああ」
「地球の記憶の中にはこの世界のすべての情報が溶け込んでいる
ならば大道克己の自我を地球の記憶からこの肉体に呼び込めば、この肉体も意識を取り戻すのでは?」
「…………ほう」
「その為にいくらかガイアメモリを使わせていただきたいのですが如何でしょう?
具体的に言えばT2ガイアメモリの試作品、それとロストドライバーもいただきたい」
「君が実績を出していることは上も認識しているからね、申請しておこう」
「ありがとうございます」
去っていくカンナギに頭を下げながら海東は口角が吊り上がるのを抑えられなかった。
翌日、彼の下にメモリとロストドライバーの入ったケースが届けられる。
AtoZ、26のメモリ。
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