過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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8: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 00:59:17.32 ID:I1Z6pX9g0

 褐色の光となった粉は私たちをミッドタウンに誘い出した。
タイムズスクウェアか!と私はうめき声をあげた。

 あんな繁華街で魔術を使っても大丈夫だろうか?
いやむしろ、あれだけの人出ならちょっとやそっとのことでは注目されないだろうと自分をなだめた。

 タイムズスクウェアはマンハッタン島でもっとも賑わいを見せるミッドタウンにある。
できる夫が記者魂にうなされて、事件を調べているとしたら魔剣の餌食になりかねない。

 今思えば、最初の犠牲者も魔剣が人を襲った所を見たのではないだろうか。
恐るべき執念である。魔剣は人から人へ、目撃者を次々に消していったのだと思うと背筋も凍る。

 まばゆい街灯に阻まれつつ、しるべの役を追って私と真紅はできる夫の姿を認めた。
血相を変えた私と、私と彼の普段の生活からは縁遠い深窓の令嬢、真紅を見るや、
何かよからぬ事件に巻き込まれたのではないかと私を案じて狼狽した。

 ビップさん、このお嬢さんは?いやいやこんな所にどうしてこんな女性を連れ込んだんですか!
事情があるなら私に相談してくれても良かったじゃありませんか。

 私はできる夫が、本当に私を心配してくれているのだと察して、これまでどこか彼が
私を落ちぶれた名族とばかにしているのではと疑っていたことを後悔した。

 しかし、私の考えを他所に敵は容赦しなかった。
突如、炎が繁華街を襲って、たちまち死臭が立ち込め、炎と煙に焼けた肉の匂いが紛れた。

 できる夫は真っ青になり、真紅と私は目を見合わせた。
正気とは思えない。魔術協会が知れば、大騒ぎになってしまうだろう!

 それでもすかさず真紅は荊棘に命じて私とできる夫と自分をビルヂングの谷間に隠した。
幾重にも伸びる荊棘がビルヂングとの間に梯を作り、私たちはぐったりしたできる夫を
伴って、ひとつのビルヂングの屋上に移った。



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