過去ログ - 上条「迎えに、来たよ」フィアンマ「…うん」
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13:『暑苦しい夏』  ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/12(水) 00:49:02.17 ID:zLGd1hxm0



一時間程後。
どうにか安全ピンで修道衣を(見た目だけでも)修復し、それを身に纏ったインデックスはどうにか自分を落ち着けながら、上条の右手を不思議そうに見つめていた。

「あの『歩く教会』を壊すなんて、君の右手は本当にすごいんだね。神様の奇跡を殺せるっていうのも、あながち間違ってないかも」
「そんなにすごいもの壊しちゃったのかよ…」
「でも、それは同時に負の面も抱える事になるね」
「負?」
「赤い糸も、幸運も、全部神様の奇跡なんだよ。その概念でいくと、君の右手が奇跡を消してしまっているのかもしれない」
「………」

上条当麻の中で、不運不幸のはっきりとした原因が確定された。
だからといってはい右手を切り落としましょうという訳にもいかない。
上条の暗く沈んだ表情にわたわたと焦りつつ、インデックスは付け加える。

「でっ、でも今のはあくまで私の推測だから、そんなことないかもしれないんだよ」
「思い当たる節が多すぎて何とも言えねえ…」

がっくり、と更に項垂れる上条。
インデックスが焦っていると、上条の携帯に電話がかかってきた。
上条はインデックスにごめん、というジェスチャーをした後、携帯を手にして通話する。
内容としては担任である小萌先生からの補習連絡(ラブコール)。
通話を終え、携帯をポケットにしまいながら、上条はインデックスを見つめて問いかけた。

「俺はこれから家出るけど、どうするんだ? 行く宛とかあるのかよ? 追われてるんだろ?」
「うん、まあね。でも、君に迷惑をかけるのも申し訳ないし、私もまた逃亡生活再開なんだよ」
「もう少し居ても良いんだぜ?」
「ううん、いいの。あ、美味しいご飯ありがとうね! ごちそうさまなんだよ!」

にこ、と笑顔を浮かべて。
慌ただしく家から出て行ったかと思えば掃除ロボットに追い立てられていく少女を見送り、上条は首を傾げた。
変な子だ。ちょっと面白かったけど。

「…っと、俺も補習行かないと…」

思い出したようにぼやき、上条は手紙を手にする。
封に不備がないか、字は汚くないか、よくよく確認してから鞄の中、ファイルの中へと丁寧にしまいこむ。
切手はもう貼ってあるので、補習に行く途中、出しに行くだけだ。

「……行ってきます」

誰も居ない室内に意味もなくそう声をかけて、上条は家を出た。


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