過去ログ - 【咲安価】久「豆知識を?」京太郎「ええ、教えてください」 四局目【解説?】
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9: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2012/11/03(土) 05:17:16.87 ID:UUPXZhLjo
/チンピラ成敗ルート


 運が良かった。

 須賀京太郎は、息を吐いた。

 眼前で怯える少女。それに纏わりつく男たち。何かが起こる前に、その現場に駆けつけられたことを。

 改めて相手を見る――。

 一人目、坊主頭の男。二人目、ピアスの男。三人目、茶髪の男。四人目、運転席、金髪の男。

 暴れようとする咲の両手を抑えて、脂下がった視線を京太郎に向ける坊主頭の男。

 頭を怒りが支配する――が。京太郎の声色は、どこまでも冷静であった。


「人には消せない性がある……料理人には料理人の、王には王の……それぞれ性というものがある」

「京、ちゃん……」


 震える咲を一瞥すらせず、京太郎は距離を詰めた。

 ただ静かに。遊歩道を歩くほどの気軽さで、男たちの元へと。

 罵声の入り混じった嘲笑が弾ける。

 皆、京太郎のことを正気ではないか、状況が理解できない者としか見做してはいない。

 だが、それは違った。この場で最も冷静で、この場で最も状況把握を行えていたのは、他の誰でもなく京太郎であった。


「この俺……須賀京太郎も消せないサガというのを持っている……。
 今までどうやって折り合いをつけようかと悩んできたが……どうやらそれも終わりらしいな」


 京太郎を軽んじる視線を向ける男たち。

 中でも一番うわっついたピアスの男が、京太郎の眼前に立ちはだかると、その胸倉を掴み上げた。

 混乱して、何の意味もない虚勢を張っている――京太郎の事を、そう見做したのであろう。

 それをつまらなそうに一瞥し、表情とは裏腹に、京太郎は呟いた。


「感謝するよ……お前たちに」


 訝しむピアスの男が、さらに眉を寄せて、眼光鋭く京太郎を睨み付ける。

 その目を覗き込んだとき――彼は認識した。

 京太郎の瞳に灯る漆黒の殺意を。どこまでも深く黒い、暗黒のクレヴァスに身を投じてしまった己を。

 震えが起こる――その暇さえ、無かった。

 次の瞬間、男の両耳は吹き飛んでいたのだから。


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