過去ログ - 垣根「本当の意味で」フィアンマ「世界を、救う」(安価スレ)
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[saga]
2012/11/07(水) 19:35:19.69 ID:pYypQOn90
沢山の人々が、力を合わせて世界という名の砂の城を作った。
長い時間をかける内、その砂の城は段々と形が崩れていった。
とある人が優しい教えを説き、あなたがたはこの城を愛で作ったのだと言った。
世界のとある人々はその発言に賛同し、慕い、砂の城は愛で出来ているのだと思った。
やがてそのとある人は、そんな城の中の人々の考えによって殺された。
殺した人々はその過ちを悔い、教えを長く伝えようと沢山の本を書いた。
それからも、沢山の人が愛や義理、優しさで出来ているのだと、世界の構成を伝えた。
調べたのか、思ったのか、それはわからないけれど。
崩れかけている城の土台をしっかりしなければ、と少女は思った。
生きる目的の無い彼女は、きっと素敵な砂の城に直すのだと考え。
人々に城を直させるには、まず自分がやってみせ、そして直させようと思ったのだ。
彼女は一生懸命に努力し、世界という名の砂の城を綺麗に作り直そうとして―――失敗した。
神様はそんな彼女を見捨てず、とある不幸な一人の少年と出会わせる事で、愛という小さな世界を創らせる。
彼女が一生懸命がむしゃらに砂の城の歪みを直そうとしたことで、城はまた少し崩れてしまった。
周囲の人は丁寧に城を作り直し始める。
また綺麗なお城を作ろう、と、力を合わせて修復と追加を。
『大事に大事にして、凝りに凝って、皆で協力して、とてもいい作品が出来た時』
『皆が歓声をあげる直前で『ぶち壊す』。…その時の驚愕と絶望感に溢れた顔を見るのが、最高に楽しい』
砂の城の歪みを直そうとした少女に向かって、根本の歪んだ少女はそう話した。
彼女にとって、世界という大きな城でさえ、所詮は砂の城。
「……私は、この世界が愛おしい。だから、この世界を壊す」
救世主になりきれなかった少女は生み出しかけた絶望よりも更に濃厚な。
完全なる絶望を世界にもたらそうと、魔神は酷薄に笑んだ。
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