過去ログ - 【咲ーSakiー安価】魔王クエスト―魔法少女と探偵とくのいちと目立ちたがりの姫君―2
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13: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/11/25(日) 21:55:36.32 ID:tRo361hAO


憧「じゃ、私が狸を使って用心棒を誘き出したら、作戦決行ね」

穏乃「うん、了解」

 二人は村外れの荒川の家に近づいて、それぞれの配置に付いた。

 憧が山から誘い寄せた狸が、うろうろと街道の脇をふらつき回った末、荒川家の戸板にぶつかって、大きな音を立てた。

???「ん…?」

 家の中から声がして、荒川家の戸口の引き戸をそっとずらす。

 隙間から覗いた眼は油断なく辺りを見回している。

 憧が狸を意のままに操るよう、風上から匂袋の中身を振り撒いた。

???「妙な気配がする…」

 引き戸はゆっくり、慎重に滑るように開いて行く。

 現れた細身の少女は、荒川憩の用心棒をつとめている、百鬼藍子だった。

藍子「見失うとまずいよね…」

 茂みを伝って風上へと動く狸の気配をはっきりと捉えた藍子は、それを追うべきかどうか一瞬、ためらった。

 時刻は晩方。辺りはすっかり暗くなっている。

藍子「あまり離れさえしなければ、大丈夫かな…」

 意を決して藍子が動き出したと同時に、穏乃が家の裏手から物陰に潜んで、素早く屋根に這い上がった。

穏乃(今だ…)

 藍子のいないわずかな隙をついて、穏乃は荒川家の屋根裏の梁の上に身を落ち着けたのだった。


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