過去ログ - 京子「萌ゆる百合の花も、枯れれば醜くありけり」
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2013/01/06(日) 20:47:28.65 ID:0s1iP1/no
どこに向かうでもなく、ただひたすら、何かから逃げるように。
しかしその何かは、まるで真夜中の月のように、決して遠ざかりはしない。
悲しみに食い破られた胸の穿孔は、常にその少女と共にある。
それは影にも等しかった。
走り去る背中すら、後悔と侘しさの化身のようだった。
以下略
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2013/01/06(日) 20:48:21.07 ID:0s1iP1/no
一歩踏み出す度に積み上がるのは、己の弱さを許してしまった敗者の傷跡である。
背中には、目に見えない無数の切創が痛ましくも刻まれていた。
自分は何故逃げているのか。
その理由さえも、遠ざけてしまいたかった。
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2013/01/06(日) 20:48:56.29 ID:0s1iP1/no
己の無力さが鮮明に浮かび上がる。
見るに堪えなかった。
目の前の現実に対して、抗う術を持たない自分という存在を、直視できなかったのだ。
世界は嗚咽に包まれた。否、構築されていた。
以下略
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2013/01/06(日) 20:49:22.72 ID:0s1iP1/no
息が切れるまでとばしたところで、どこまで行っても闇が広がる。
苦しんでいるのは、他でもない自分自身なのだから。
以下略
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2013/01/06(日) 20:49:49.00 ID:0s1iP1/no
朦朧とする意識の中であかりは、いっそのこと消えてしまいたい。と思っていた。
彼女は生まれて初めて、己の存在を否定する。
自分に何ができただろうか。結衣を慰める事。励ます事。ただ何も言わず寄り添う事。その全てが叶わない。
あかりは誰よりも大人だった。故に、それ理解してしまうのだ。
以下略
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2013/01/06(日) 20:50:35.54 ID:0s1iP1/no
自分には、誰かを救う事などできない。芥子粒のように小さく、地を這う蟻のように弱く、機械仕掛けのように冷血だから。
あかりは全てを失いかけてもなお、涙さえ流せなかった。
それは何故か。自問自答はループする。
以下略
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2013/01/06(日) 20:51:01.97 ID:0s1iP1/no
京子を嫌っていたから? 気に食わない人間が消えて、清々したから? ……愚問である。
結衣を嫌っていたから? 同情するまでもないと思ったから? ……否。
以下略
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2013/01/06(日) 20:51:27.52 ID:0s1iP1/no
それはほんの一瞬である。
結衣から京子の事故について聞かされたその時、あかりの中でぽつりと、言葉が浮かんで消えていった。
それは記憶の彼方へ消えることなく、心の奥底に沈んでいった。
30
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2013/01/06(日) 20:51:53.50 ID:0s1iP1/no
これからはあかりのこと、ちゃんと見てくれるのかな。
それは思考というにはあまりに微弱な、ノイズである。
淡く薄いのと同時に、危うくもあるその期待。
以下略
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2013/01/07(月) 04:32:59.03 ID:j/IlpRVDO
続きを
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2013/01/07(月) 23:44:59.83 ID:zYCIZ694o
重いの来てるな
続きプリーズ
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