過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 4クール目【仮面ライダー】
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17: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/16(土) 18:26:04.65 ID:+ka+IpTDo

カザリ「おねーさん、ちょっといい?」


 松実宥はその時、一人で帰宅していた。
 妹の松実玄は教師から呼び出されているというので、先に帰宅してほしいと言われて。
 正直なところ、最近、この街では物騒な噂が飛び交っている。
 そんな中一人で帰るというのが怖いと言うのもあれば。
 残った妹が同じ目にあったりするのは、嫌だなぁ……と。

 そういう理由で一緒に返ろうと思っていたのだが。そうはならなかった。
 故に、一人で帰宅する。
 まあ、人通りの多いところを通れば――安全の筈だ。

 そんな風に考えていて。そこで声をかけられた。
 初めはそれが、自分に向けられたものだとは……思わなかった。


宥「え、あ……はい。あの……なんですか……?」

カザリ「おねーさん、なんでそんな厚着してるの? 寒いの?」

カザリ「ちょっと寒いってのが分からないんだけどさぁ……教えてくれないかな?」

宥「え……あの……」


 そんな言葉と共に、腕を掴まれる。
 トラウマが――甦る。あの日の記憶が。

 同じく厚着をしている事をからかわれて。なじられて。
 それで、衣服を剥がされそうになっていた……そんな事だ。
 それと同じく、松実宥は恐怖を抱いた。
 あの時と違うのは――成長したために、女としての恐怖も覚えた事。

 あたりを見回す。通行人が目を反らす。
 あのとき自分を助けた、松実玄もこの場にはいない。
 また、いたとしても……あの時とは体格が違う、状況が違う。
 ひょっとしたら、妹にも大変な事が起こるのかもしれない。


カザリ「ねえ、いいよね?」

カザリ「色々、そういうのとか確かめたいしさぁ」

宥「ぁ、ぇ……や、やめ……」


 怖い――誰か。

 目尻に、涙が滲んだ。
 体が震える。ただの寒気ではないそれ。いつも感じているものよりも強い、それ。

 どうしようもない。そう思った、その時だ。


京太郎「――おい」

京太郎「いくらなんでも、いい加減にしろ。その辺にしとけよ」


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