過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 4クール目【仮面ライダー】
1- 20
21: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/16(土) 18:37:18.87 ID:nE0+sCiuo

 そう呼びかける少年の手も、震えていた。
 松実宥は、それを見た。
 ただ、実際のところ――それは。
 怖いのに勇気を振り絞ったという訳ではない。


京太郎(ぐわあああああああああああ、マジすみません! マジすみません!)

京太郎(なんだよこれ! 仲間と組ながら自作自演で女の子ナンパしてるのと一緒じゃねーかよ!)

京太郎(すみません! 本当にすみません!)

京太郎(マジでこれ俺のせいだよなぁ……何やってんだよ俺……)


 少年は、吐き気を抑えていたのだ。

 カザリの言い分は分かるし――おそらくは自分の為に、いつまでもそのまま悩んでいたであろう自分の為に。
 敢えて先行したという形で、悪役を買って出た。
 そうなのだろう。

 だけれどもそれは――まぎれもなく京太郎が原因で。
 京太郎が余計に悩んでいたために、結果的にカザリを悪役にさせ。
 そして、この女性に恐怖を与えてしまった――そういう意味だ。

 何も言い訳ができない。
 イマジンから護る為、或いはグリードから護る為。ドーパントにしない為。
 そんな大義名分は立つが。
 大義名分の為に――彼女の心を踏みにじってしまってよいのかと言われれば、否だ。


 込み上げる吐き気と怖気。
 己のトラウマが刺激されて、同時に女性への多大な申し訳なさを感じる。

 辛うじてそれを――いくらなんでも遣り過ぎだという、カザリへの怒りで塗りつぶす。
 そうして怒れなければ。
 カザリのやっている事は無意味となるし、加えて、女性にも無駄にトラウマを与えたにすぎなくなるから。


カザリ「……なに、君? 彼氏?」

京太郎「通りすがりの他人だよ」

京太郎「お前、その辺にしとけって言ってるんだ」

京太郎「それ以上やるんだったら――」

カザリ「――だったら、どうするの?」


 瞬間、繰り出される拳。
 そこで認識した。この速度、この拳は、まぎれもなく本気のものだ。

 吐き気を抑えて、意識を切り替える。
 自作自演で、本当にただのどうしようもない事だとしても――。
 これに京太郎が打たれたのなら、背後の彼女は余計に恐怖を抱く。拭えない恐怖を。

 だから――護れ。いや、最悪……そんな最悪だけは食い止めろ。
 どの道もうマイナスで、これは明らかな罪だとしても……。これ以上は避けなければならない。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/379.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice