過去ログ - 「俺、眼鏡って似合わないんだよなー」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:06:33.64 ID:PtVx1/VJO
ふと、そんな昔の言葉を思い出して、私も眼鏡をかけてみた。

そうしたらね。

どうしてだろう。

気が付いたら、鏡を振り上げて泣いていたんだ。


壊してしまいたい顔を照らすのは、灰色のふきだしが映ったディスプレイ。


「来週の日曜にそっち行くから。夜、少しだけ会える?」


きっと冷たい夜になるんだろうな、と。

充電器に繋ぎっぱなしですっかり熱くなった携帯を握りしめたまま、その日は眠った。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/25(土) 23:07:25.37 ID:PtVx1/VJO
こんばんは。
10レスもいかずに完結しますので、お付き合いいただけたらと思います。


3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:08:43.85 ID:PtVx1/VJO
『知ってる? ユキムラさん』


この冬一番の冷え込み。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:09:32.14 ID:PtVx1/VJO
そんなことを考えながら、勢いをつけて地面を蹴り上げる。

――トン、トン。

彼の形を崩さないように、私はその中にすっぽりと収まる。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:11:12.71 ID:PtVx1/VJO
疾うの昔から知っていたことを、今さら問い掛ける必要はなかったのだけれど。

そのことを深く胸に刻み込むことで、私は私の想いを少しだけ癒してあげることができた。


以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:14:00.38 ID:PtVx1/VJO
「ユキムラさんが眼鏡かけてるの初めて見たけど……やっぱり、似合わないな」


この言葉がどんなに切ないか。

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:16:53.36 ID:PtVx1/VJO
手袋の中で凍った指先は、もう何も感じない。

私達が恋人同士なら、こんなものは邪魔だと言って互いの手を握り、温め合うのだろうけど。


以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:19:42.80 ID:PtVx1/VJO
手袋を取った大きな手の平が優しく触れても、少しだって気持ちは温かくならなかった。


それはすぐに離れてしまうと分かっていたから。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:34:00.08 ID:PtVx1/VJO
「知ってる? ユキムラさん。もし俺達が80歳まで生きるとしたら、その人生は大体25億秒なんだって」

「え?」

「俺達はその秒読みが始まる前からずっと一緒にいた。そうだろう? それだけで俺はとても幸せなんだ。これからもずっと、その気持ちは変わらない」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/25(土) 23:35:27.65 ID:PtVx1/VJO
暑い日が続くので、これでちょっと心が涼しくなればいいかなと思ったのですが。

読んでくださった方がいたなら、お礼を申し上げたいです。


以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/27(月) 22:38:59.31 ID:67dy+FGD0


また書いてね


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