過去ログ - ライナー「これが‥‥戦士の生き様だ」
1- 20
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 21:34:08.29 ID:6HCf9Ej30
乱暴にしてはいけない。淑女の指先を掴むようにそっと、気遣いを持って優しく。実に紳士的な彼らしい仕草だ。
その部分は、他の布地よりもやや厚みを感じた。クロッチは布が二重になっているからである。その手触りはふかふかと柔らかく、外側と内側では違う布が使われている事が窺えた。
しかし、今はその感触を楽しむ時間ではないのだ。ゆっくりと、慎重に指先に力を込め、引き伸ばす。
だが。


「‥‥伸び、ない‥‥!?」


そう。下着は履き易いように横には十分な伸縮性を持つが、縦には一センチ程度しか伸びないのだ。
つまり彼の神秘への畏怖も、それに付随する葛藤も、力強い決意も。
全てが、無駄だったのだ。


「‥‥ちっ、くしょおおおおおおおおおお!!」


耳を劈く慟哭が、下着の林を揺らす。行き場のない感情を拳に乗せて床を殴ったとしても、発散はされない。
蹲る背中が小さく揺れ動き、やがて嗚咽が静かに辺りに漏れ始めた。彼は‥‥その屈強な巨体を震わせ、涙を流していた。
しかしふと、掌に握り締めた下着に意識が行く。随分強く握っていたようで、皺が出来てしまっていた。気を取り直して、ピンとそれを伸ばす。
涙に濡れた頬のまま、輝くような白さの下着を眺めると、心が洗われて行った。まるで慰められているようで、頬が緩む。


「‥‥はは。何やってんだ、俺は‥‥」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/19.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice