過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/07(金) 12:34:05.62 ID:DJ+7loo20

「大丈夫……?」


返事は期待していなかった。


「……っ」


彼女は首を二度振って、泣き続けている。
震える背中をさすってやるとますますうずくまるように嗚咽を漏らしていた。


この部屋の淀んだ絶望に押しつぶされそうになる。死の恐怖に負けた者が、果たして戦場で役に立つのかは定かではないが。
彼女はまだ大丈夫だろうか。


「クリスタ、お待たせ」


たっぷりと水の入った瓶を持って、ユミルが立っていた。改めてみると、彼女の服はあちこちに血が滲んで固まっていた。


「ありがとう……ユミルは怪我はないの?」

「ん……まあ、頑丈なんでな。ちょっとやそっとじゃ怪我なんてしねえよ」


水を渡される。一口飲んで、自分のベッドの隣の兵士を見やった。水、とまだ小さく聞こえる。


「あの、お水……どうぞ」


私は引きづるように近寄って、動きづらそうな彼の手に瓶を握らせた。滑りそうになったので、自分の手を添えて口元まで運んでやる。
背後で、少し呆れたようなユミルの視線を感じた。


「そいつは、もう長くないぞ……」

「うん……」



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