6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/10(月) 05:28:23.24 ID:R632hej80
事務所の入っているビルの地下にある駐車場。
特に何の変哲もないシルバーの自動車の前にボクは立っています。
向こうから少し困った顔をしてプロデューサーさんが走ってきました。
モバP「いやあ、すまん。もう若い力にはついていけないんだ」
少し息を切らしたプロデューサーさんは、ポケットを探って自動車の鍵を探そうとしている様子。
少々手間取った後に見つけたらしく、ジャケットの右のポケットから鍵を取り出して自動車のロックを解除しました。
モバP「幸子たちのは後部座席にあるから、それを上に持ってってくれ」
幸子「ええ、解りました。プロデューサーさんのは別なんですか?」
モバP「俺のはちょっと重いからトランクに入れてあるんだよ」
そう言ってプロデューサーさんがトランクから取り出したものは何やら大きな箱。
ボクはそれが何であるかを把握すると、少し呆れました。
幸子「……もしかしてそれが、晶葉さんへの誕生日プレゼントですか」
モバP「ああ、前からあると便利だろうなとは思ってたしな。ちひろさんに許可もとったぞ」
幸子「そういえば今日はちひろさんの姿が見えませんね」
モバP「何でも大事な会議かなんかがあるらしくて来られないって文句言ってたぞ、何で今日なんでしょうねえって。」
幸子「プロデューサーさんよりちひろさんの方がお仕事多いですもんね」
モバP「ぐっ、それは言わない約束だったのに……」
ワザとらしくガクッと肩を落として膝をつくプロデューサーさん。
幸子「まあ、ボクも最近は少しづつ忙しくなってきましたし努力は認めてあげますけどね」
素直に感謝の言葉が出せない事が少しもどかしく思えます。
少し照れているのを隠すように、ボクは後部座席の荷物を取ってそそくさと事務所の方へ戻っていきます。
モバP「ああ、それちひろさんの分も入ってるからなー」
幸子「ええ、解りました。責任をもってちゃんと持っていきますよ」
プロデューサーさんはまだ大きな箱と悪戦苦闘しています。
何時まで経っても終わりそうにないので、ボクは仕方なく独りで事務所に戻る事にしました。
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