過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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3: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2013/07/13(土) 02:03:13.61 ID:G632siqIo

誰かがやって来た。

そして、何かを言った。

何かを思い出しそうになった。

何を言われたのかは、よく憶えていない。

最後の瞬間、あの男と目が合ったことは、よく憶えている。

白衣を着込んだ人間達から、フジとか、博士だとか呼ばれていたあの男。

『父親』であったような、『創造主』でもあったような。


人間が寄りつかないだろう場所を探して、ハナダの洞窟に辿り着いた。

だが、見たこともない不審なポケモンがやってきたところで、異物以外の何者でもない。

異物が迷い込んだ洞窟では野生のポケモンたちが騒ぎ、人間の関心を引いた。

逃げ込んだ当時は、人間が出入りしている形跡など、ほとんどなかったはずだ。

なのに、ミュウツーが居着いてからしばらくすると、時折トレーナーが訪れるようになっていた。


はじめのうちは、トレーナーのぶつけてくるポケモンを戦闘不能に陥らせ、記憶を弄って追い返していた。

そのうち、わざわざ相手をする義理がないことに気づいた。

それからはいきなりトレーナーの方を昏倒させ、記憶操作と催眠術をかけて追い返すことにした。


そういう生活がどれくらい続いたのか、もう思い出せない。

ほんのわずかな期間だけだったような気もするし、随分長い間、そういう生活をしていたようにも思えた。

時間の概念はだんだん薄れ、ただ空腹と眠気の繰り返しだけが時の移ろいを測る尺度になっていた。


ある時を境にぱったりと来訪が途絶え、かわりに出入口を人間が監視するようになった。

記憶を消す処理に手落ちがあったのかとも思ったが、そういうことではないようだった。

野生のポケモンたちも落ち着きを取り戻した。




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