過去ログ - 社長「今度、上の階に越してきた高木といいます」
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[saga]
2013/10/23(水) 17:15:20.97 ID:obhSRlC40
律子「そ、そんな、もうお世辞はやめてくださいよ……そんな初めて会った人に」
律子ちゃんの表情がどうすればいいのか分からないと言いたげな困ったものへと変わる。
イカンな、これじゃまるで私も一緒になってからかっているみたいじゃないか。
「もちろん、小鳥さんも別嬪さんだよ?」
小鳥「まぁ、マスターは本当にお上手ですね♪」
これでお茶を濁せたかどうかは分からないが、どうにか私はその場を切り抜けられたらしい。
再び料理に戻ると、こんな話が聞こえてきた。
小鳥「でも真面目な話、本当にアイドルになってみる気はありません?
今のウチはアイドル事務所の看板出しといて、肝心のアイドルが一人もいないんですから」
律子「いくら人手不足だからって、事務員のバイトをアイドルにしようなんてプロダクション、聞いたことないですよ……」
小鳥「聞いたことがなければ、その第一号にでもなっちゃえばいいんですよ」
律子「そんな軽く……」
小鳥「芸能界なんて案外そんなものじゃないですか? 友達に応募させられたオーディションに受かったなんて話は結構聞きますし。
それに社長が通用するかもしれない、って言ってるんですよ? 結構この世界が長い人がそう言ってるんですから、なんとかなりますって」
高木が結構業界に長く居るということは初耳だった。
もっとも、ソースが身内といってもいい人間なのだから、それを無条件で信じるというわけにもいかないかもしれないが。
「はい、A定食と日替わりランチ、お待ちどうさん」
私が料理を運んだところで、律子ちゃんが、ハイこの話はもうおしまい、と幕を引いてしまった。
それから程なくして律子ちゃんが事務員とアイドルを掛け持ちするという話を小鳥さんから聞かされた。
きっと高木からの押しに律子ちゃんも観念したのだろう、そう思った。
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