過去ログ - 【オリジナル】Re.乙女合体ガチユリダー
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13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga sage]
2014/01/03(金) 15:23:06.40 ID:RcbEIrZAO
 私はついつい『癖』で早速、引っかかっていた金網を外してあげた。
 しかし正純は丁度、再びフェンスに手を突いて力を込め始めていた。
 タイミングが、良かった。

正純「ふぇ? ひゃあ!!」

琴主「はぇ? ちょわぁ!?」

 私はバランスを崩した正純に巻き込まれて、後ろから路地裏に倒れ込んだ。

 正純に押し倒される形で。

正純「……」

琴主「……」

 頭でも打ったのか、単に突然のことで頭が混乱したのか。
 私はふと思い出した。
 東京の古い路地裏を、あの子に誘われて探検していた時のことを。

『お姉ちゃぁん、こっち抜けないよお』

『アハハ、引っかかってるだけだよ舞』
 よく私は、どじなあの子をフォローしていた。
 あの子もそれが日課だからか、引っかかっているのを取るのも大人しく待ってくれた。

『あれ? ホントだ』

『まったく舞ったら、お姉ちゃんが居ないと本当に……』

琴主「……から」

 小さく漏れた言葉に放心していた正気が戻ってきたのか、正純は見る見るうちに顔を赤くしていった。
 いつの間にか、気がつくと私は正純をそのまま抱きしめていた。

琴主「……んん!?」

正純「あ、あのっ、そのっ、あのあのっ……まだ私心の準備がそのぉっ」

 頭からぷしううぅと湯気を噴きだしながら、正純はわたわたと手足を動かしていた。

琴主(……って私は何やってんだ!?)

琴主「ご、ごめん正純?!」

正純「こここ、此方こそごめんなさいぃっ」

 二人して慌てて離れ、何故か土下座した。
 動揺して人工の心臓がせわしなく鼓動しているのが分かる。

正純「あ、あの……さっきのって」

琴主「ご、ごめんっ!! 深い意味はないから……ちょっと、ついというか……」

琴主(油断だった、まだ私は……)

 そう思いながら弁明しようと試みていると、不意に正純の掌にホロウィンドウが開き、着信音が鳴った。
 私も好きな、二人組のアイドル歌手の曲だ。



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