過去ログ - 如月千早「私は、アイドル」
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1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:06:31.85 ID:MG0rKjSR0

「ちーはーやーちゃんっ」

頭のリボンと、いつも明るい笑顔が印象的な天海春香。私の、大切な友達…。そして、仲間。
この子がいなかったら、今の私は無かったかもしれない。

「おはよう、春香…」
「どうしたの?私の顔、なんか付いてる?」
「そんなこと無いわ、大丈夫よ」

安心した様子で笑う春香の顔に、私も頬が緩む。
このこの笑顔は、見ている人達を和ませたり、元気にする力があると思う。


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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/03/02(日) 16:07:23.28 ID:MG0rKjSR0

「ねえ、千早ちゃん。ニューヨーク行きの話が決まったって、本当?」
「ええ…。でも、まだ信じられないの」
「そんなこと無いよ、千早ちゃんの実力だよ」
「そうだとしたら、春香のお陰でもあるわ」
以下略



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2014/03/02(日) 16:07:54.13 ID:MG0rKjSR0

「春香は明日はJHK教育の番組収録。美希とやよいはBBSで歌番組、それに――」

プロデューサーが今日のスケジュールを発表していく、皆忙しいわね…。

以下略



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2014/03/02(日) 16:08:23.77 ID:MG0rKjSR0

「…アイドルとは?」

出版社からの依頼は、音楽雑誌に載せる私のコラム。テーマは「アイドルとは?」らしい。
キーボードを前に暫く考え込んでいた。
以下略



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2014/03/02(日) 16:08:57.13 ID:MG0rKjSR0


「あの…。社長、少しお聞きしてもよろしいですか?」

滅多に入ることのない社長室に入ると、私は社長にそう聞いた。
以下略



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2014/03/02(日) 16:09:23.05 ID:MG0rKjSR0

「いろいろな人から…」
「どうしたの?千早ちゃん。はい、コーヒー」

口元の黒子が印象的な事務の音無さんが私の前にコーヒーを差し出す。
以下略



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2014/03/02(日) 16:09:54.19 ID:MG0rKjSR0

「あっ!千早お姉ちゃん、おはおはー」

真美がいつもの調子で私に抱きついてくる。このこは、どう思ってるのかしら?

以下略



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2014/03/02(日) 16:11:33.27 ID:MG0rKjSR0

「千早ちゃん、どうしたの?」

のんびり間延びした澄んだ声。あずささんだ。

以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:12:08.28 ID:MG0rKjSR0

「…分からないわね」
「どうしたの?千早さん」

美希か…この子だったらどう考えるんだろう?
以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:12:44.56 ID:MG0rKjSR0

「…キラキラ…運命…希望…楽しむもの…」

今まで聞いてきた皆の答えはどれもバラバラ、どれが正解なんだろう、それとも全部正解かも知れないし正解なんてないかも知れない。
だけど…私は…
以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:14:36.64 ID:MG0rKjSR0
「…アイドルって、何なのかしらね」
「えっ?」
「萩原さんはどう思う?」
「…その…うまく言えないんだけど…私は、アイドルになって、少し臆病なのとか、犬が怖いのとか、引っ込み思案なのが治った気がするし…その…なんていうか、勇気、かな?」
「勇気…」
以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:15:06.60 ID:MG0rKjSR0

「千早さん、どうしたんですかー?」

少し舌っ足らずな明るい声、気遣わしげな目線、高槻さんだ。

以下略



13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:15:36.31 ID:MG0rKjSR0


「どうしたの千早…パソコン使えるのか?」

我那覇さんが不思議そうな顔で私の事を見ている。バカにしないでと言った後、私は例の質問をしてみた。
以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:16:24.25 ID:MG0rKjSR0

「アイドルとは何か…私達自身の存在の理由とでも言うのでしょうか?」

何時の間にか私の後ろに居た四条さんの声に、心臓が跳ねる。

以下略



15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:17:03.70 ID:MG0rKjSR0

「答えは私の中に?」

どうなんだろう、私はそんな気がしない…

以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:18:20.97 ID:MG0rKjSR0
「…簡単…?」
「ほら亜美、アンタ帰ってきたらすぐに明日のレッスン予定を見ときなさいって…千早?どうしたの、パソコンの前に座って」

律子までそんなことを言うから、少しむくれて見せた。

以下略



17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:19:06.49 ID:MG0rKjSR0

「夢、ね。律子にしては気の利いた事を言うじゃない」
「何よ伊織。文句あるの?」
「別に〜」
「じゃあ聞くけど、あんたはどう思ってるの?」
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18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:19:44.98 ID:MG0rKjSR0

結局みんなに聞いてみたけど、答えは出ないままだった。

「どうだ?千早、答えは出そうか?」
「いえ…それが…」
以下略



19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:20:17.64 ID:MG0rKjSR0

「ただ今戻りましってっとわぁぁっ!」

事務所に入るなり転びそうになってる春香。
この娘ならなんて答えるかしら?
以下略



20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:20:45.97 ID:MG0rKjSR0

「千早ちゃんは、どうしてアイドルをやってるの?」
「えっ?」
「…千早ちゃんは、きっともう答えが出てるんだよ、でも、難しく考えすぎてるだけなんだと思う。だから…ね?大丈夫だよ」
「春香…ありがとう、少し見えてきた気がするわ」
以下略



21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/02(日) 16:22:03.36 ID:MG0rKjSR0

すると春香が照れくさそうに笑う。

「そんなことないよ、千早ちゃんが思ってた事だよ、きっと…」

以下略



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