過去ログ - 穏乃「麻雀に、おかしなことはつきものだ」
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13: ◆k1tEJoGb4VEz[saga]
2014/04/04(金) 21:19:20.37 ID:ZO2+Qwfe0

「あのさ、憧……」

 憧はどこからか持ってきたメモ帳にペンを走らせて、それを私に見せた。

【何?】

 ……それだけで私は、七割くらい察した。
 ふぅ〜む、なるほどなるほどなるほどー、というやつである。
 筆談で相槌を打つ必要はないと思う、というのは勿論口に出さずに、私は続けた。

「憧は最近、変なことなかった? 変なものを見たとか、そういうやつ」

 察したのなら、一々確認をとる必要はない。
 聞かれたくないことだろうし、もう嫌というほど聞かれたのだろうから。
 ちょっと早いけれど、次の段階に移行だ。
 しかし突然そんなことを聞いたものだから、憧は涙を流しながら目を丸くしていた。

【変なことばっかよ。見て分かるでしょ?】

「ごめん。でも、そういうことじゃなくてさ……、私から見て分からないところで、だよ」

「……」

 不安と苛立ちと涙を込めた上目遣いで憧は私を見た。
 私の言うことは支離滅裂だ。
 会話を放棄されてもおかしくないである、が、憧はペンを走らせることを止めなかった。
 ぐい、と、彼女はメモ帳を押し付けるように見せた。

【鴉なら、見たけど……】

 ドンピシャ、だ。
 きっと私なら、彼女の問題を解決するための手助けができる。

「憧、安心していいよ」

 私が助けてやる、なんておこがましい言葉は間違えても言えないけど。
 でも少しでも憧が安堵出来るように、私は精一杯微笑んだ。

「――きっとよくなるから」



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