過去ログ - モバP「逃げ切って、最果てを」飛鳥「一緒にね」
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[saga]
2014/04/27(日) 14:46:23.90 ID:+x4vWIZD0
『ボクとキミの関係は』
ボクとプロデューサーの関係を、一度しっかりと考えてみよう。
そう思ったきっかけは、つい先ほど終えた月刊雑誌のインタビューであった。記者がボクに向けた『気になる人はいますか?』という質問。アイドルに対して聞く質問ではないのではないかい、と返すとお決まりなのでと涼しく笑っていたが、その時ふとあの人が――プロデューサーが頭に浮かんできたのだった。
あらかじめ線引きというか、大前提として明記するならば、やっぱりボクはプロデューサーのことは好意的に見ているという事と、それと同時に決して恋愛対象ではないという事だ。
まず、年が離れすぎているのだろう、そこに関しては誰も疑問は持たないはずだ。ボクは14歳の少女で、相手はとっくに成人している男性である、そこには憧れこそあれど、恋愛感情はどうしても湧いてこない。
なんだろう、兄――いや、恩人――というのも、なんだか違う気がする。教師――というのもなんだか違う。もっと対等な、こう、なんというべきか。
そうだ、こういう場合は、ことの馴れ初めから順を追うことが大事だと何かで読んだ気がする。
ファーストコンタクトは、街を歩くボクを、プロデューサーはナンパ紛いな方法でスカウトしたことだったはずだ。
「ねぇキミ! ちよっと俺と話をしよう。そこにカフェがあるだろう、お金は俺が持つから、君の将来について、大事な話をしよう。ちょっとだけでいいんだ、ほんとにちょっと付き合ってよ」
曰く、逸材の発見にテンパっていたそうだ。
それにしたって、酷い。当時のボクはそのギラギラとした瞳を見て、むしろここで断ってしまうより人の多いカフェまで行って声をあげたほうがいいだろう――なんて、考えてしまうほどに、あの時のプロデューサーは酷い様だった。
そんな彼は、今ではボクに新しい世界を、地平を見せてくれる大切なパートナーである――あ。
「なんだ、結論でていたじゃないか。キミはボクのパートナーだ」
「お、おう、唐突に嬉しい事言ってくれてありがとうな。そろそろ事務所つくから、おりる準備しとけよ」
「はーい」
そういってハンドルをきる彼に、あえて聞こえない程度の声で、呟く。
「これからもよろしくね」
「ん、なんか言ったか?」
「いやいやなんでも」
そう、なんでもない。なんてことない、いつものことだから。
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