過去ログ - 男「手でも繋ぐか」女「そのうちね」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/01(木) 21:49:55.41 ID:m4WR1z3y0
男「俺はお前のことが好きだ」

女「……」

男「って言ったら、お前はどうする?」

女「……どうもしないわよ」

彼女は溜息を吐くとどうでもいいというように左手をヒラヒラと振った。
しかも、「それより」と面倒くさそうに今目の前にあるノートをさらにぐいっと俺に近づけてくる。

女「バカなこと言ってないで早くこの問題解いてくれない?」

男「――釣れねえな」

女「いつものことでしょ」

男「そーでした」

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 21:58:16.09 ID:m4WR1z3y0
俺と彼女は恋人というわけではない。
よく友人知人に間違われてしまうが、決してそういうわけではないのだ。

意識していない――と言えばきっと嘘になるだろう。
しかし俺とこの女が恋人同士になるところなんて想像すらできないことだ。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/05/01(木) 22:06:24.79 ID:NrDOlk2u0
おもしろそう


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 22:08:32.32 ID:m4WR1z3y0
俺たちはとりわけなにかに優れているというわけでもなく、勉強の出来だって並くらいのものだった。
それまで一人取り仕切っていた優秀なクラスメイトの後釜には決してふさわしくないくらいの。

それでも選ばれたからにはなんとか上手くクラスを取り仕切りたいと、そう言いだしたのは責任感の強い彼女だった。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/01(木) 22:16:45.68 ID:m4WR1z3y0
シャーペンを投げるように置いてノートを閉じた。
彼女がやれやれ、というように荷物を片付け始めるのを見て、俺もすぐに帰り支度を始める。

なんだかんだいっても彼女はいつも俺を待っていてくれる。
そういう優しいところを、他の男にでも見せればいいのにとよく思う。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 22:26:27.39 ID:m4WR1z3y0
既に人気のなくなった廊下に出ると、ひんやりと寒かった。
日が暮れるのも随分と早くなって、窓の外はもう暗くなりかけていた。

教室の施錠を終わらすと、鍵を返すために職員室までの道のりをゆっくりと歩いた。

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 22:35:24.30 ID:m4WR1z3y0
担任「あ、お疲れさま!」

が、それも意味のない行為だったらしい。
気づかれていないと思っていたのが、鍵をその場に返した途端少し遠くで俯いていた担任教師は俺を目ざとく見つけて声をかけてきた。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 22:42:15.19 ID:m4WR1z3y0
も?
ということはもちろん彼女もそうなのだろう。

つい先日行われた初めての進路希望調査。
もしかするとさっき担任教師が見ていた紙はそれについてなのかもしれない。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 22:42:58.73 ID:m4WR1z3y0
休憩。


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 23:23:52.06 ID:m4WR1z3y0
男「それこそいつものことだろ」

女「今日は一段と遅かった」

男「担任につかまってたんだよ。一段とって数えてたのかよ」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 23:31:28.38 ID:m4WR1z3y0
男「行けるわけない、とか言わないんだな」

女「私が言うようなことじゃないもの」

静かに、彼女が答えた。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/01(木) 23:31:57.14 ID:m4WR1z3y0
本日終了。


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/02(金) 00:28:02.79 ID:EIHpn0+7o



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/02(金) 01:28:56.72 ID:G0eH4Xo4o
乙です
雰囲気がいいね
期待してます


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/02(金) 19:57:33.08 ID:kcMow5+2o
クーデレを感じる


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/03(土) 08:01:48.48 ID:bdra7Yplo
青春かよ
期待


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/04(日) 00:57:37.34 ID:mHuT92Cg0
その日、俺は夢を見た。
彼女が突如俺の元から去る夢だ。

正確に言えば、俺に好きと告げていながら付き合おうとも言わずにただその言葉だけを残して突如俺の前から忽然と姿を消した夢。

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/04(日) 00:58:06.75 ID:mHuT92Cg0
翌日は、珍しく登校中に彼女と出会った。
方向は同じでも普段は家を出る時間が違うのか、彼女と会うことは滅多にない。
俺も彼女も部活動はやっていないし朝練というものも参加することはないが、彼女は誰より早く教室へと着きたがるのだ。曰く、学級委員だから当然だと。
逆に朝に弱い俺はいつも何か仕事があるとき以外は遅刻寸前とまではいかないものの教室にだいぶ話し声が増えてくる頃に学校へと到着する。
だから、俺が早めに家を出る日以外に彼女とばったり出くわすということは今までになかった。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/04(日) 00:59:08.97 ID:mHuT92Cg0
男「……おはようくらいは言えよな」

女「……おはよう」

道のど真ん中で挨拶すら交わさずに顔を見合わせていた俺たちは、しばらく声の出なかった俺がようやく絞り出した言葉で視線を外した。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/04(日) 01:28:22.14 ID:mHuT92Cg0
男「あ、おい」

女「大丈夫」

男「は?」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/04(日) 01:29:12.91 ID:mHuT92Cg0
短いが本日終了。


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