過去ログ - 菫「見つけた。貴方が私の王だ」咲「えっ」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/27(金) 23:16:58.78 ID:cMGVLU1+0
ある寒い日のことだった。

朝の仕事をある程度終えた咲は、桶を持ち裏の勝手口より井戸へと向かう。

桶に井戸から水を組み入れ、それが終わると赤くなってしまった指先に息を吹きかけ咲は一息ついた。

昨日尋ねてきた旅商人が言っていたが、今年は天災が続き農作物が大打撃を受けたらしい。

今はまだいいが、これから雪が降れば食料が品薄になり世間の生活は更に辛くなるだろうと。

本当に、聞こえてくる話はそんな気が滅入るものばかりで…

このまま新王が立たない時期が続けば国は更に疲弊しているのだろう。

明日は我が身に降りかかる火の粉かもしれない、人生に明確な目的があるわけでもないが

それでも明日一日を無事に生きていきたいと思いながら、咲は小さく息を吐いた。

そろそろ仕事に戻らなければ主人に怒鳴れるかもしれない。

殴られるだけならまだいいが食事抜きになったら本当に辛い。

早く戻らなければ。

そうして、冷えた指先に力を込め、水がたっぷり溜まった桶を持ち上げた瞬間……

咲は視界の先に佇む人影に気付いた。


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