過去ログ - 泰葉「私が人形と呼ばれる訳」
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20: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/07/14(月) 21:41:44.58 ID:tzQxSdFRo

「お疲れ様です」

 言って入った談話室。
タイミングがいいのか悪いのか、また誰も居ない部屋。
――私と、彼女以外誰も居ない部屋。

「……」

 相も変わらず背もたれに向かって丸くなる彼女。
小さく上下する肩だけでは寝てるのかどうか判断できない。
でも、多分起きてるんだろうなと思う。そして、私がこっそりでていったあの時も。

「……少しだけ、信じてみようかなって思う」

 本当に起きてるか寝てるかは知らない。
でも、聞こえてる気がしたから言って見る。
思いは口にしなくちゃ伝わらないから。

「ふぅん。で、それを杏に言ってどうするわけ?」

 案の定、背もたれの所為で若干くぐもった声。

「アイドルも、真面目に頑張ってみる」
「あっそ」
「……プロデューサーも明日から個人レッスンしてくれるって言ってたし」
「はぁっ!?」

 ようやくこっちを向いた。
驚いた表情の彼女に、舌を少し出して笑う。

「う・そ」
「……やっぱ、あんたの事嫌いだわ」
「私も、あなたの事嫌いだから一緒」


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