3: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/07/14(月) 18:27:24.24 ID:tzQxSdFRo
「無理しすぎだ」
同じクーラーボックスに入ってたのだろうか、
タオルはとても冷えていて、気持ちがいい。
首にタオルをかけて受け取ったドリンクを喉を鳴らして飲んでいると、
プロデューサーはそう言った。
「無理なんて、してないですから」
咄嗟に言った台詞は、カメラの前と違ってずいぶんと拙い。
それを受けてプロデューサーは「心配させないでくれ」と小さく呟いて、
つい見てしまった彼の表情は困ったような笑顔。
私を正面から見つめる瞳。真っ黒な、瞳。
私の演技なんて全てお見通しで、
まるで私の心まで見通されるようで。とても、嫌な瞳。
私の中にある闇。私の中にある黒。私の中にある奈落。
いままでずっと隠してきて、隠し通せていたそれらを見られそうで。
今の事務所に来て、一年。
私は未だにこのプロデューサーとの距離を掴めずに居る。
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